【下肢神経麻痺等7級】事故当時7歳小学生に7級が認められ、7800万円の賠償金を獲得した事案【足首・足指可動域制限】

事故の内容
被害者女性(事故当時7歳小学生)は、歩道に突っ込んできた自動車に轢かれ、下腿を開放骨折するなど下肢に大けがを負いました。被害者女性は、大学生になるまで長期間治療を重ねてきました。
相談のきっかけ
被害者女性の両親は、娘の治療期間が長くなり、どのように解決したらよいか分からず、どのような後遺障害が認められるかもわからなかったため、依頼されることにしました。
後遺障害等級認定
リンクスの弁護士が、保険会社から診断書を取り寄せ、被害者女性の症状を確認すると、左足首の可動域制限、左足の5本の足指の可動域制限が認められました。ただ、被害者女性は、足首や足指を骨折したわけではないため、その原因を証明する必要があると考えました。
リンクスの弁護士は、神経損傷が原因である可能性が高いと考え、筋電図検査、神経伝導速度検査等の神経学的検査を受けるようアドバイスしました。
次に、可動域制限の程度によって後遺障害等級が変わることから、可動域の測定をして頂きました。
通常、可動域の測定は、数値のごまかしが生じないように、他人に力を加えてもらって痛みが生じるところまで曲げてもらった数値(他動値)を測定します。
しかし、神経麻痺による可動域制限の場合には、関節が損傷しているわけではないので、他人に力を加えられれば曲がります。
しかし、神経が麻痺している以上、自分では曲げられないので、後遺障害の実態を証明するには、自分の意思で曲げた場合の測定値(「自動値」)が大事になります。そこで、他動値だけでなく、自動値についてもきちんと測ってもらって、後遺障害診断書に記入してもらうようアドバイスしました。
その結果、すべての症状を漏らさずに後遺障害等級認定手続にかけることができ、可動域制限で足首10級、足指9級、腓骨の変形で12級の併合7級の認定を受けることができました。
解決の内容
本件の場合、事故から長期間経過していることから、遅延損害金を考えると、裁判を起こす方がよい事案でした。そこで、被害者女性、ご両親と協議の上、訴訟を提起しました。
その結果、被害者女性は、7800万円の損害賠償を受け取ることができました。
この解説の筆者(担当弁護士)
弁護士 藤川真之介
弁護士法人法律事務所リンクス(京都弁護士会)代表弁護士。交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号に掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(登録番号35346)。