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事故で足を切断したら?下肢切断の障害等級とその後の損害賠償

左上下肢を切断した60代女性が1億2000万円を獲得した事例を詳細に解説

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交通事故により下肢を切断するという事態は、被害者ご本人にとって、単に身体の一部を失うという物理的な損失にとどまりません。それは、昨日まで当たり前だった「歩く」「立つ」「トイレに行く」「お風呂に入る」という日常のすべてが崩壊し、人生の設計図が根底から書き換えられることを意味します。

ICU(集中治療室)での生死を彷徨う治療を経て、ようやく意識が戻った時に直面するのは、激しい幻肢痛(失ったはずの手足が痛む現象)と、「自分は家族のお荷物になるのではないか」という筆舌に尽くしがたい恐怖です。切断された断端の傷が癒えても、心に空いた穴と、バランスを失った身体の感覚は、容易には元に戻りません。

そして、その絶望の淵にいる被害者とご家族に対し、加害者側の保険会社は、極めて事務的、かつシビアな「現実」を突きつけてきます。

  • 「今の義足は性能が良いので、訓練すれば仕事には復帰できるはずです」
  • 「家のリフォームは、手すりをつける程度で十分でしょう。建て替えなんて認められません」
  • 「将来の介護費用は、ご家族がいらっしゃるので認められません。奥様(旦那様)が看ればタダでしょう?」

これらは、決して大げさな話ではなく、実際の示談交渉の現場で日常的に繰り返されている言葉です。

下肢切断事案において、適正な損害賠償額は数千万円、重度の場合は1億円から2億円を超えることもあります。しかし、この金額は保険会社が自動的に提示してくれるものではありません。被害者が直面している「生活のしづらさ」を、法律、医学、そして建築工学という複数の言語に翻訳し、揺るぎない証拠として積み上げない限り、本来受け取るべき補償の半分も手にできないことが実務上の常態なのです。

このページでは、法律事務所リンクスの交通事故に強い弁護士新居功韻が、下肢切断における後遺障害の基礎知識を説明した後で、実際に左上下肢切断という過酷な状況から1億円を超える和解を勝ち取った事例を基に、保険会社との激しい攻防の最前線となる「将来介護費」「家屋改造費」の算定実務、そしてその立証の全貌を徹底解説します。

下肢切断における後遺障害等級の基礎知識と認定のポイント

後遺障害による損害算定において、すべての計算の出発点となるのが「後遺障害等級」です。下肢切断の場合、切断箇所が数センチ異なるだけで等級が変わり、賠償額に数千万円の差が生じることがあります。まずは敵を知る前に、己(自身の等級)を正確に把握する必要があります。

下肢の欠損障害(切断)の等級表と「高さ」の意味

自賠責保険における等級は、切断された部位の「高さ」によって厳格に区分されています。

【第1級3号:両下肢を膝関節以上で失ったもの】 最も重い等級の一つです。両大腿(太もも)や膝離断などで足を失うと、実用的な義足歩行は極めて困難になります。特に両足ともに膝がない場合、座った状態でのバランス維持すら難しく、車椅子生活が基本となります。排泄や入浴などのADL(日常生活動作)において、生涯にわたる常時介護が必要となるケースが大半です。

【第2級4号:両下肢を足関節以上で失ったもの】 両足首から先を失った状態です。第1級に比べれば膝関節が残存しているため、義足のコントロールは比較的容易に見えます。しかし、両足ともに感覚がない状態でのバランス保持は困難を極めます。視覚情報に頼って歩行せざるを得ず、暗闇や不整地での歩行には著しい制限がかかります。

【第4級5号:1下肢を膝関節以上で失ったもの】 片足を太ももや膝の高さで失った状態です。健常な足が一本残っていますが、片足にかかる負担は倍増します。

【第5級5号:1下肢を足関節以上で失ったもの】 片足を足首から先で失った状態です。

実務上の核心:「膝関節以上」か「以下」か

実務上、等級認定とその後の賠償交渉で最も大きな争点となるのは、**「膝関節が残っているか否か」**です。これは単なる等級の数字の違い以上の、生活の質(QOL)に直結する問題です。

膝がある場合(下腿切断): 自分の膝の屈伸を使って義足をコントロールできます。蹴り出す力や、着地の衝撃吸収を膝で調整できるため、訓練次第では階段昇降やある程度の早歩きが可能になります。

膝がない場合(大腿切断・膝関節離断): 義足の膝部分(膝継手:ひざつぎて)を、腰の動き(股関節)だけで制御しなければなりません。「足を前に振り出す」「体重を乗せて膝をロックする」という動作を、股関節の微妙な動きで行う必要があります。これは高度な体幹筋力とバランス感覚を要するため、特に高齢者の場合、義足を作っても実生活では使いこなせず、結局は車椅子生活となり、将来介護費の必要性が飛躍的に高まる分岐点となります。

併合認定の重要性:複合的な障害を見逃さない

交通事故の恐ろしさは、ダメージが脚だけに留まらないことです。複数の障害がある場合、等級を繰り上げる「併合」のルールが適用されますが、実務では単純な計算以上の「生活への複合的影響」を主張する必要があります。

次にご紹介する解決事例は、1下肢を膝関節以上で失っただけでなく、上肢まで切断するという悲惨な事故にあい、後遺障害併合1級が認定されました。

下肢切断の損害賠償~左上下肢を切断した60代女性が1億2000万円を獲得した事例を基に

相談のきっかけ

交通事故の被害者は65歳の女性(当時)で、夫と古い家屋で二人暮らしをされていました。自転車で横断歩道を走行中、左折してきた大型車両に巻き込まれてしまい、左大腿部切断、左上腕切断することとなり、左上下肢を失ってしまわれました。

義足訓練などのリハビリを続けたものの、段差が大きい古い家屋に戻るのも難しく、入院期間も長期に及ぶことが予想されたため、夫は途方に暮れてリンクスの弁護士に相談されました。

リンクスの弁護士のアドバイス

被害者の夫は、被害者が退院後に少しでも快適な生活ができるように古い家屋を建て替えたい、建て替えの間はバリアフリーの賃貸住宅を借りたいという意向をお持ちでした。

リンクスの弁護士は、最終的に損害賠償金を獲得するまでは時間がかかること、建て替え費用が全額認められるとは限らないことを説明した上で、自賠責保険に後遺障害等級申請をすれば、後遺障害1級が出て3000万円の自賠責保険金が支払われるので、これを元手に建て替えを進めてはいかがかとアドバイスをしました。

被害者と夫はこれを受け入れ、リンクスの弁護士に依頼することとしました。

後遺障害等級の獲得と示談交渉、裁判

後遺障害等級については無事に併合1級を獲得することができ、被害者らの家の建て替えは自賠責保険金3000万円を元手に無事始まったものの、保険会社の提示額は家屋改造費用や将来の介護費用を定額に見積もったもので、示談交渉は遅々として進みませんでした。

そこで、リンクスの弁護士は、残りの損害賠償金を求めて、裁判を起こすことにしました。

裁判の争点

裁判の主な争点は、次の3つでした。

  1. 主婦であった被害者は家事労働がどの程度できなくなったのか
  2. 被害者の将来介護費はどれくらい認められるべきか
  3. 家屋改造費はどこまで認められるべきか

リンクスの弁護士による損害の主張のポイント

被害者は後遺障害1級であるものの、夫の助けを借りながら家事労働は続けていましたので、家事労働が全くできなくなったとまで認めて欲しいとは思っていませんでした。

これに対して、被害者の夫が介護をするとはいえ、高齢でいつまで介護できるか分からなかったことから、将来介護費についてはしっかり認めて欲しいという要望がありました。

また、家屋改造費についても、事故がなければ建て替える必要はなかったので、できる限り認めて欲しいという希望がありました。

そこで、リンクスの弁護士は、以下の3点を柱に立証活動を展開しました。

ケアマネージャー・ヘルパーとの連携による「介護日誌」の証拠化: 夫が記録していたメモに加え、プロの視点からの報告書を作成。「夫が倒れたら共倒れになる」という逼迫した現状、特に排泄介助の回数や時間、入浴時の具体的動作(全介助が必要であること)を詳細に報告し、裁判官に「現場の空気」を伝えました。

建築士による現地調査と意見書作成: 図面と構造計算を用いて「既存宅のリフォームでは物理的に生活不能」であることを証明しました。建築士を法廷に伴う覚悟で、技術的な反論を行いました。

魂の陳述書: 「定年後は夫婦で旅行に行こうと思っていた。そのささやかな夢すら奪われた」「妻の身体を見るたびに、守ってやれなかった自分を責めてしまう」という夫の悲痛な叫びを文章化し、慰謝料増額事由として主張しました。

その後、保険会社側の弁護士との主張反論の応酬を経て、最終的に以下の内容で和解が成立しました。

和解の内容

賠償額の合計は約1億2000万円(自賠責保険からの既払金を含む)での解決となりました。

項目認定額(概算)ポイント
後遺障害慰謝料2,800万円後遺障害1級の裁判基準(赤本基準)満額認定。
将来介護費3,600万円夫の加齢に伴う「職業介護への移行」を考慮した、現実的かつ高水準な認定。
自宅改造費等1,300万円改造費1,100万円に加え、工事期間中の仮住まい費用(家賃・引越代)約100万円、公租公課なども細かく認定。
後遺障害逸失利益2,000万円65歳という年齢ながら、主婦としての労働能力喪失を平均余命まで認めさせた結果。基礎収入×80%喪失×係数。
夫固有の慰謝料100万円被害者本人だけでなく、過酷な介護生活を余儀なくされた夫の精神的苦痛も別途認定。
装具・車両関係数百万円義肢、車椅子、ベッド、福祉車両購入費なども認定。

特筆すべきは、「自宅改造費」と「将来介護費」のバランスです。 裁判所は、新築費用全額こそ認めませんでしたが、その代わり「大規模改造費」として約1,300万円を認め、さらにその改造を行ったとしても残る介護負担を「将来介護費」として約3,600万円認めるという、「ハード(家)とソフト(人)」の総和で被害者の生活を支える判断を下しました。 これは、建築的な主張と医学・福祉的な主張をリンクさせて展開した戦略の勝利と言えます。

では、各争点について、どのようなことが問題となるかをより詳しく見ていきましょう。 

下肢切断の後遺障害逸失利益における「労働能力」の攻防

逸失利益とは、「事故がなければ将来得られたはずの収入(利益)」です。 計算式は以下の通りです。

逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

下肢切断事案では、この中の「労働能力喪失率」を巡って、保険会社側から次のような厳しい反論がなされます。

保険会社の常套句:「義足・IT活用論」

「近年は義足の性能が向上し、パラスポーツ選手のように走ることも可能です」 「今はパソコンを使った仕事やテレワークが普及しています。足がなくてもデスクワークには支障はないはずです」 「したがって、労働能力喪失率は100%(就労不可能)ではなく、せいぜい50%〜60%程度の喪失に留まるべきです」

保険会社はこのように主張し、大幅な減額を迫ってきます。確かにパラリンピック選手の活躍は素晴らしいものですが、それを一般の被害者、特に中高年の被害者に当てはめるのは暴論です。

現場のリアリティで反論する:健側への過剰負担

これに対し、被害者側は徹底した具体的反論が必要です。我々が実際の裁判で展開した論点として、「健側(残った方の手足)への過剰負担」というものがあります。 たとえ片手・片足が残っていたとしても、失われた手足の機能を補うために、残された手足には常人の2倍、3倍の負荷がかかります。

【主張の具体例】 「原告は左上下肢を失っており、日常生活の全てを右半身のみで行っている。トイレへの移乗、ベッドからの起き上がり、これら全ての動作において、右足一本で踏ん張り、右手一本で身体全体を引き上げる必要がある。この過重労働は、右半身に慢性的な疲労と疼痛をもたらし、将来的に右側の関節機能をも損なうリスクが高い(二次的健康被害)。 すなわち、残った健側手足は労働に使える『余力』ではなく、日常生活を送るために使い果たしている『生命維持装置』である。 これを労働に振り向ける余地は全く残されていない」

この視点からの立証が、労働能力喪失率100%(あるいはそれに準ずる高率)を勝ち取る鍵となります。

主婦(家事従事者)の逸失利益

被害者が専業主婦の場合、「賃金センサス(女性労働者の平均賃金)」をベースに計算します。 ここでも、「料理は座ってできる」「洗濯は全自動だ」という心ない反論がなされます。これに対しては、家事という労働の「複合的な動き」を分解して反論します。

料理: 「座ってできる」と言うが、高い位置にある棚から鍋を取り出し、水を入れ、火にかけ、熱い鍋をシンクへ移動させる。これらは重心移動を伴う危険な作業であり、車椅子では火傷のリスクが高すぎて不可能である。

掃除・洗濯: 掃除機をかける、布団を干す、洗濯物を取り込む。これらはすべて「移動」と「踏ん張り」を要する作業であり、物理的に不可能である。

名もなき家事: 郵便物を取る、ゴミを出しに行く、電球を替える。これら細かな動作の全てが失われている。

このように具体的な家事動作ごとの不能状況を立証し、主婦としての機能が全廃または著しく制限されていることを認めさせます。

下肢切断の将来介護費・最大化の戦略的計算式

下肢切断事案において、賠償額の桁を変える最大の要因が「将来介護費」です。被害者が生きている限り、毎日発生するコストであるため、日額が1,000円違うだけで、総額は数千万円単位で変動します。

裁判所の認定基準:「近親者」と「職業人」の使い分け

将来介護費は、誰が介護するかによって単価が異なります。

近親者介護: 配偶者や子、親が介護する場合。 (上限:日額8,000円程度)

職業人介護: ヘルパー等のプロを雇う場合。 (目安:日額12,000円〜20,000円以上の実費)

保険会社は、「ご家族(配偶者)が健在なのだから、全て近親者介護(安価)で賄えるはずだ」と主張します。また、「常時介護ではなく、必要な時だけ呼べばいい(随時介護)」として、日額を3,000円程度に抑えようとすることもあります。 しかし、これは「介護地獄」を無視した主張です。配偶者自身も高齢化し、いずれ介護ができなくなる日が必ず来ます。また、被害者が重い障害を負っている場合、家族は24時間365日拘束されることになり、家族の人生そのものが犠牲になります。

「年齢」で区切る段階的計算(実例に基づく解説)

我々が担当した解決事例では、以下のような緻密なシミュレーションを用いて、裁判所を説得しました。

【主張のロジック:夫の加齢による限界説】 被害者(妻)の介護を夫が担っているケースにおいて、将来にわたって夫が介護し続けられるという幻想を捨てさせます。

第1フェーズ(現在〜夫が75歳になるまで): 在宅での近親者介護を中心とするが、夫の負担軽減のために一部職業人介護を併用する。 (計算例:近親者日額4,000円 + 職業人日額3,000円 = 日額7,000円)

第2フェーズ(夫が75歳〜平均余命まで): ここが勝負所です。夫が75歳(後期高齢者)を超えると、老老介護となり共倒れのリスクが高まる。体力的限界を考慮し、「職業人介護への完全移行」を前提とした計算に切り替える。 (計算例:日額15,000円以上)

この事案では、結果として将来介護費だけで約3,600万円という高額な賠償が認められました。これは、「今は夫が頑張っているからゼロ円(あるいは低額)」とする保険会社側の主張を退け、「夫がいなくなった後の数十年の妻の人生」を経済的に保障させた画期的な成果です。

事故で足を切断した場合の家屋改造費

「車椅子で生活するためには、家をどうするか」。 これは単なるリフォームの問題ではなく、建築基準法、構造力学、そしてバリアフリー法が絡み合う、極めて専門的な論争領域です。

「改造(リフォーム)」か「新築(建て替え)」か

最も激しく対立するのがこの点です。

保険会社の主張(ミニマム対応): 「浴室とトイレに手すりをつけ、玄関に段差解消機(リフト)を置けば十分。費用は数百万円で済むはず」

被害者の主張(抜本的対応): 「既存住宅の廊下幅(通常75cm程度)では車椅子が回転できない。廊下を広げようにも構造上の制約があるため、建て替え(新築)以外に選択肢がない」

実際の裁判で提出された「建築技術的」な反論

後述の解決事例では、保険会社の「リフォームで十分」論に対する、プロフェッショナルな反論がなされています。これらは、建築士と弁護士が協働して現地調査を行い作成したものです。

① 構造梁(はり)と配管の「デッドロック」

車椅子対応トイレを作るには、便器の位置を変えてスペースを広げる必要があり、それに伴い床下の排水管を移動させなければなりません。しかし、本件家屋では、移動先に「構造梁(建物を支える重要な骨組み)」が存在していました。

【弁護士の反論】 「構造梁の穴抜き(スリーブ抜き)は、建物の荷重計算に基づいて施工されている。新たな配管を通すために既存の梁に穴を開けることは、耐震性を著しく損なうため建築基準法上も認められない。また、梁の下をくぐらせて配管するには、床全体を50cm以上かさ上げ(床上げ)する必要があり、そうなると天井高が低くなりすぎて居住性を失う。よってリフォームは物理的に不可能である」

② 電動リフトの危険性(災害時のリスク管理)

保険会社は、玄関の段差解消に安価な「電動リフト」を提案しました。これに対し、弁護士側は「安全配慮」の観点からスロープ設置(そのための敷地拡張・大規模工事)を主張しました。

【弁護士の反論】 「電動リフトは、地震や水害による停電時に停止する。原告の自宅南側には河川があり、ハザードマップ上も浸水リスクがある地域である。避難が必要な緊急時にリフトが動かなければ、下肢切断の原告は逃げ遅れて死亡するリスクがある。命を守るためには、電力に依存しない物理的なスロープ設置が必須である」

③ 駐車スペースと居住スペースの干渉(パズル的不能)

反面、スロープを設置し、車椅子ごと乗れる福祉車両の駐車スペースを確保しようとすると、既存の建物の居住スペースを削らざるを得なくなります。

【弁護士の反論】「必要なスロープ勾配(1/12以上)を確保して設置すると、居住スペースが後退し、結果として北側の構造壁と干渉する。バリアフリーと生活空間の確保を両立させることは、既存建物の枠内ではパズル的に不可能である」

これらの論証により、裁判所は「小手先の改造では不可能」と判断し、約1,300万円の家屋改造費(実質的な大規模改修・新築補助)を認定するに至りました。

下肢切断事案において弁護士が果たすべき役割

この事例が示すように、重度後遺障害事案における弁護士の役割は、単なる「示談交渉の代行」ではありません。

多職種連携の司令塔(プロジェクト・マネージャー)

弁護士だけでは、家の梁の構造も、義足の最新機能も、幻肢痛のメカニズムも分かりません。

しかし、適切な専門家と連携を取ることにより専門的な知見を踏まえた主張を展開することができます。

・建築士に依頼して、「なぜリフォームではダメか」を図面化してもらう。

・医師・理学療法士に依頼して、「なぜこの動作ができないか」を医学的に説明してもらう。

・義肢装具士に依頼して、将来必要となる義足の交換費用(ソケットやライナーなどの消耗品含む、一生涯のコスト)を見積もってもらう。

これら専門家の知見を集約し、裁判所という公の場で通用する「証拠」へと昇華させることこそが、弁護士の真の仕事です。

情報の非対称性を打破する

保険会社は、過去の膨大なデータと専属の顧問医、建築技術調査員を擁しています。彼らは「支払いを抑えるプロ」です。個人が丸腰で戦っても、「これが相場です」「過去の判例ではこうなっています」という言葉に押し切られてしまいます。 弁護士は、最新の裁判例と、個別の事情(家の構造、家族構成、具体的な身体の痛み)を武器に、その「相場」の壁を突破します。「平均的な相場」ではなく、「あなたの場合に必要な金額」を主張するのです。

【補足】被害者家族が今すぐやるべき「証拠保全」チェックリスト

将来の裁判を有利に進めるために、事故直後からご家族ができることがあります。これらは時間が経つと失われてしまう重要な証拠です。

1. 自宅の写真撮影(重要) 改築や引っ越しをする前に、「現在の自宅」の不便さを記録してください。 ・廊下の狭さ(メジャーを当てて撮影し、車椅子が通れないことを示す)。 ・トイレや浴室の段差。 ・玄関のアプローチ。

これらの写真は、「なぜリフォームではダメなのか」を証明する決定的な証拠になります。

2. 介護日誌の作成 大学ノートで構いません。以下の内容を毎日記録してください。 ・「何時にトイレに起きたか」 ・「着替えに何分かかり、どんな手助けをしたか」 ・「本人が痛みを訴えた回数や内容」 ・「介護者が感じた疲労や辛さ」

記憶は薄れますが、記録は嘘をつきません。これが将来介護費の単価を引き上げる根拠になります。

忘れられがちな「義足・装具」の将来コスト

最後に、盲点になりがちな「モノ」の費用について触れておきます。 義足は一度作れば終わりではありません。

耐用年数: 一般的に義足のパーツは3〜5年で交換が必要です。

体型の変化: 切断端(切り口)は、筋肉の萎縮や体重の増減で太さが変わります。太さが変わればソケット(足を入れる部分)を作り直さなければなりません。

消耗品: 断端を保護するシリコンライナーは消耗品で、定期的な購入が必要です。

これらを「平均余命」まで計算すると、数百万円のコストになることもあります。 例えば、高性能な電子制御膝継手(C-Legなど)を使用する場合、1回の交換で数百万円かかります。保険会社は「標準的な(安価な)義足で十分」と主張しますが、「活動的な生活を取り戻すためには高性能義足が必要」と主張し、将来の交換費用まで認めさせることが重要です。

おわりに:絶望を希望に変える「正当な賠償」のために

今、この記事を読まれている被害者の方、ご家族の方は、暗闇の中にいらっしゃるかもしれません。 「元の体に戻りたい」という願いは、どんなにお金を積んでも叶いません。その悔しさは、私たちも痛いほど理解しています。お金で解決できることなど、人生のごく一部に過ぎないことも知っています。

しかし、「正当な賠償金」を獲得することは、これからの人生を前向きに生きるための、最強の「杖」となります。

相当額の将来介護費が認められれば、 家族に気兼ねなくプロのヘルパーを頼み、夫や子供と笑顔で会話する時間を取り戻せます。

必要な家屋改造費が認められれば、 段差のない暖かい家で、誰の手も借りずにトイレに行き、安心して眠ることができます。

高性能な義足や車椅子があれば、 もう一度、外の世界へ飛び出し、友人と食事に行く勇気が湧いてきます。

私たちは、単に法律論を戦わせるだけではありません。 「被害者の方が、この先の数十年の人生を、どうすれば尊厳を持って幸せに暮らせるか」。 その一点を見据え、建築、医療、福祉の専門家とチームを組み、あなたの人生を再建するための闘いを全力でサポートします。

もし、保険会社の提示額に疑問を感じたり、将来の生活に不安を感じていらっしゃるなら、まずは私たちにご相談ください。その一歩が、あなたとご家族の未来を守るための大きな前進となるはずです。

 

このコンテンツの監修

藤川真之介 弁護士の写真

弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介

交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。

リンクスの顧問医のご紹介

顧問医師 濱口 裕之氏の写真
顧問医師
濱口 裕之/はまぐち ひろゆき

法律事務所リンクスのの顧問医の濱口裕之です。
後遺障害等級認定に当たっては、主治医が作成する後遺障害診断書、画像や検査が大事ですが、多忙な主治医は、「充実した内容の後遺障害診断書」を作成したり、後遺障害を証明するために必要な「画像の撮影」や「検査の実施」を積極的に提案してくれるとは限りません。

私が代表医師を務めるメディカルコンサルティング合同会社では、法律事務所リンクスに依頼された交通事故被害者の方の主治医が作成した後遺障害診断書などを、交通事故に詳しい各科の専門医が画像鑑定や意見書などを作成して補填することが可能です。

私たちは、交通事故被害者の皆様の後遺障害を証明するために、数多くの案件で法律事務所リンクスの弁護士と連携し、結果を出してきました。このページをご覧になっている交通事故の被害者の方が、適正な損害賠償を受けられるようサポートさせていただきますので、ご安心ください。

経歴 医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本リウマチ学会専門医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 兼 CEO

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