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交通事故の診断書は警察と保険会社に提出が大事!費用負担や期限は?

損害賠償金をもらうためには診断書が必要。

診断書作成に弁護士が介入すると慰謝料が増額する可能性がある。

交通事故の診断書は、医師が交通事故の被害者を診察して作成する文書で、交通事故で怪我をしたことや怪我の内容と程度を証明する資料です。

交通事故の被害者が治療費、休業損害、慰謝料などの損害賠償金を受け取る民事手続においても、交通事故の加害者に過失運転致死傷の罪を問う刑事手続においても、基礎をなす重要な証拠となります。

このページでは、法律事務所リンクスの交通事故に強い弁護士が、交通事故で診断書が必要となる理由や、その作成方法、提出先、注意点などを詳しく解説します。

電話での簡単な依頼で解決される方も多数!お気軽にご相談ください!

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交通事故で診断書が重要な理由

まず、交通事故で診断書が必要になる理由を説明します。交通事故に遭った際、診断書が必要になる場面は多々あります。

診断書は、事故による怪我やその後の治療状況を公式に証明する書類であり、これがなければ様々な手続きが進められないのです。

警察に人身事故として処理してもらうため

交通事故が発生した際、警察に届け出ることが求められますが、物損事故として処理されるのか、人身事故として処理されるのかは重要な違いです。

人身事故として扱われるためには、被害者が負傷していることを証明する診断書が必要です。

交通事故の診断書がなければ警察は人身事故として扱えないため、加害者を過失運転致死傷で処罰してもらうことができません。

治療費などの支払いを受けるため

診断書は、交通事故による怪我で発生した治療費、休業損害、慰謝料を請求する際の重要な証拠となります。

保険会社や加害者に対して治療費を請求するためには、医師による正式な診断が必要です。

交通事故の診断書がなければ、治療費の請求が認められないため、必ず診断書を取得する必要があります。

後遺障害等級の認定を受けるため

後遺症が残った場合、その補償を受けるには、後遺障害等級認定を受ける必要があります。

後遺障害等級は1級から14級まであり、等級に応じて「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」を受け取ることになります。

後遺障害に関わる賠償金は、数百万円~数千万円にもなることがあるため、絶対に取り逃してはいけません。

後遺障害の認定を受けるには、医師の指示に従って最後まで治療を続けた後に、「後遺障害診断書」を作成してもらう必要があります。

【関連:後遺障害診断書!もらい方は?書いてくれない?デメリットや書式ダウンロード記入例も

交通事故の診断書を作成するのは誰?いつもらえる?

交通事故の診断書の作成に関する具体的な流れや提出する際の注意点についても確認しておきましょう。

交通事故の診断書を作成するのは病院の医師

交通事故の診断書は、基本的に治療を担当した医師が作成します。医師は、患者の怪我の程度や治療の内容をもとに診断書を作成し、その内容は客観的な証拠となります。

医師以外や、被害者自身が診断書を作成したものは、診断書としての効力を持ちません。

必ず医療機関で発行されたものを使用してください。怪我の程度が軽い場合でも、後々の手続きを円滑に進めるため、必ず医師に診断書を発行してもらうようにしましょう。

交通事故の診断書をいつもらえるかはケースバイケース

交通事故の診断書のうち、警察に提出する診断書は交通事故直後にもらえることが多いですが、保険会社に提出する診断書は記載内容が多いので医師の忙しさによって変わります。

コピーではなく原本を提出する

交通事故の診断書は、原本で提出する必要があります。

診断書は、交通事故で被害者が負った損害や被害を証明することができる法的効力のある書類です。示談交渉や公的手続きをする際にコピーを利用することはできませんので注意しましょう。

一度発行された診断書は、破損や紛失に注意し、提出するまできちんと保管しておきましょう。

また、提出する前に、自分用の控えとしてコピーを取っておくといいでしょう。

交通事故の診断書の種類と提出先

交通事故の診断書の主な提出先を紹介します。それぞれ提出先に合わせた診断書を準備する必要があります。

警察に提出する診断書

警察に提出する診断書は、交通事故の加害者を罪に問うための重要な証拠です。

刑事手続は速やかに進める必要がありますので、通常は交通事故直後に作成してもらうことになります。

検察官が、交通事故の加害者を正式起訴するか、罰金請求(略式起訴)するか、不起訴にするかを決める際に、怪我の内容である「傷病名」と怪我の程度(完治までの見込み期間)である「加療期間」が重要なので、警察に提出する診断書には、この2つの情報が記載されることになります。

加害者の任意保険または自賠責保険に提出する「経過診断書」

経過診断書は治療費や慰謝料を算定するための重傷な証拠です。

通常は、加害者の任意保険会社が、被害者の治療費や慰謝料などの損害賠償金を支払うため、被害者から治療情報の提供を受けるための同意書をもらって収集するため、医師に経過診断書を作成してもらって、任意保険会社に提出するということは起きません。

これに対し、任意保険が対応しなかったり、治療費を打ち切った場合には、自賠責保険に治療費等を直接請求することになるため(「被害者請求」といいます)、被害者側で医師に経過診断書を作成してもらって、自賠責保険に提出する必要が生じます。

【関連:「交通事故の被害者請求とは?自賠責保険使うとどうなる?デメリット・支払までの期間は?」

経過診断書には、治療費を算定するには治療の必要性が分かる情報と慰謝料を算定するには傷病名や治療日数・期間が記載されている必要がありますので、所定の形式に次の内容を記載してもらうことが通常です。

  • 傷病名
  • 負傷部位
  • 治療開始日
  • 完治日もしくは完治見込み日(完治しない場合は症状固定日)
  • 治療内容・症状経過
  • 検査結果 など

実際に治療にかかった費用については、診療報酬明細書を経過診断書とセットで作成してもらって、記載してもらうことになります。

加害者の任意保険または自賠責保険に提出する「後遺障害診断書」

後遺障害診断書は、交通事故の後遺症が残った場合に作成される診断書で、後遺障害等級を認定するための重要な書類となります。

後遺障害等級認定を受けることで、「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」を受け取ることが可能になります。

どのような後遺障害診断書を作成してもらえれば後遺障害等級が認定されやすくなるかについては、後遺障害に詳しい弁護士にアドバイスを受けることが大事です。

また、後遺障害等級認定については、加害者側の任意保険を通さず、自賠責保険に後遺障害診断書を直接提出することがおすすめですが、こちらも後遺障害認定に詳しい弁護士に代行してもらう方がよいでしょう。

【関連:後遺障害認定は厳しい?後遺症が認定されない理由とその対処法

勤務先

交通事故で会社を一定期間休むとなった場合、会社に対しても理由を説明する必要がでてきます。

事故があったこと、負傷したこと、会社を休むのは止むを得ないことを証明するには、医師が作成した診断書が必要となるでしょう。

交通事故の診断書の作成にかかる費用・料金

警察に提出する診断書の作成費用・料金

警察に提出する診断書の費用は、3000円~5000円程度のことが多いです。

刑事手続のための診断書なので、自己負担となるのが原則です。

保険会社に提出する経過診断書の作成費用・料金

保険会社に提出する経過診断書の費用は、経過診断書と診療報酬明細書をセットで作成してもらうので、2通分の費用として5000円~1万円程度を要することが多いです。

毎月作成してもらう場合には、毎月5000円~1万円程度を要することになるので、数か月分をまとめて作成してもらうこともあります。

損害賠償請求に必要な費用なので、保険会社または自賠責保険が負担しますが、保険会社が治療の必要性を認めない部分の診断書については、保険会社は負担しません。

保険会社に治療の必要性を認めさせて初めて、保険会社が負担することになります。

後遺障害診断書の作成費用・料金

後遺障害診断書の作成費用は、附属書類の多寡に応じて5000円~3万円程度です。

後遺障害等級が認定された場合、加害者側の保険会社が負担しますので、領収書を保管しておきましょう。

後遺障害等級が認定されなかった場合には、自己負担になるのが原則です。

交通事故の診断書の提出期限

警察に提出する診断書の提出期限

警察に提出する診断書は、時間が経つと受け付けてくれず、人身事故扱いにならなくなる可能性がありますので、できる限り速やかに提出する必要があります。

経過診断書の提出期限

経過診断書を提出する必要があるのは、任意保険が治療費の支払に対応しなかったり、治療費の支払を打ち切った場合になります。

この場合、自賠責保険への提出期限は、交通事故から3年が経過する日になります。

治療が長期化している場合などには、時効の更新をして期限を延長する必要があります。

後遺障害診断書の提出期限

後遺障害診断書の自賠責保険への提出期限は、症状固定から3年が経過する日になります。

交通事故の診断書を提出しないデメリット

交通事故の診断書を提出しないことによるデメリットは次のとおりです。

警察に診断書を提出しないデメリット

事故状況が実況見分調書として残らない

警察に診断書を提出しないと刑事事件として扱われないので、事故状況が刑事事件の証拠である実況見分調書として残りません。

ドライブレコーダー等に交通事故が記録されていればさほど問題は生じないかもしれませんが、事故状況について加害者と意見が食い違っている場合には、過失割合をめぐる争いが深刻になる可能性があります。

自賠責保険に被害者請求する際の手間が増える

自賠責保険に被害者請求する際には、交通事故証明書を提出することになりますが、物件事故扱いとなっているため、別途「人身事故証明書入手不能理由書」を作成する必要が生じます。

任意保険・自賠責保険に診断書を提出しないデメリット

保険会社に診断書を提出しないと、治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害の補償といった人身損害の損害賠償は一切されません。

交通事故診断書作成の注意点

診断書を作成する際には、いくつかの注意点があります。以下に、診断書を作成する際のポイントをまとめました。

医師の許可が出るまで通院をやめないこと

医師の許可が出るまで一定のペースで通院し、途中で通院をやめたりしないようにしましょう。

途中で通院をやめてしまうと、慰謝料が低く見積もられてしまうリスクがあるだけでなく、その後の診断書の作成にも悪影響が及ぶ可能性があります。

症状は最初からすべて伝えること

事故によって負った症状は、自覚した時点ですぐに伝えるようにしましょう。

後になって医師に伝えると、適切な治療ができず、診断書にも記載できなくなる可能性があります。

また、示談交渉時、相手の保険会社から「そのけがは事故とは関係ないものなのでは?」と疑われ、治療費の支払いを拒否されるなどのトラブルに発展する可能性もあります。

後遺障害診断書作成は弁護士に相談すること

後遺障害診断書の作成は医師がすることですが、作成前に、弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害等級の認定は、損害賠償額に大きな影響を与えるため、弁護士に相談しながら進めましょう。

等級ごとに、認定の症状(条件)は決まっていますが、医師がそれを理解したうえで、診断書を作成したり、必要な検査を実施してくれるとは限りません。

医師は医療のプロであり、法律のプロではありません。確実に後遺障害認定を受けるためには、後遺障害診断書作成の段階から弁護士に相談し、サポートしてもらうことが重要です。

まとめ

交通事故で診断書を取得することは、適切な補償を受けるために欠かせない手続きです。

警察への提出や保険会社への請求、後遺障害の認定など、診断書が必要な場面は多岐に渡ります。

診断書を作成する際には、適切な医療機関に相談し、正確な情報を提供することが大切です。

また、後遺症が残った場合は後遺障害認定を行いますが、後遺障害診断書の作成は、弁護士に相談しながら行った方が、認定率が高まります。

交通事故でのお悩みは交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう。法律事務所リンクスでは、交通事故に関する無料相談を受け付けています。お電話でわかりやすく説明いたしますので、お気軽にご利用ください。

このコンテンツの監修

藤川真之介 弁護士の写真

弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介

交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。

リンクスの顧問医のご紹介

顧問医師 濱口 裕之氏の写真
顧問医師
濱口 裕之/はまぐち ひろゆき

法律事務所リンクスのの顧問医の濱口裕之です。
後遺障害等級認定に当たっては、主治医が作成する後遺障害診断書、画像や検査が大事ですが、多忙な主治医は、「充実した内容の後遺障害診断書」を作成したり、後遺障害を証明するために必要な「画像の撮影」や「検査の実施」を積極的に提案してくれるとは限りません。

私が代表医師を務めるメディカルコンサルティング合同会社では、法律事務所リンクスに依頼された交通事故被害者の方の主治医が作成した後遺障害診断書などを、交通事故に詳しい各科の専門医が画像鑑定や意見書などを作成して補填することが可能です。

私たちは、交通事故被害者の皆様の後遺障害を証明するために、数多くの案件で法律事務所リンクスの弁護士と連携し、結果を出してきました。このページをご覧になっている交通事故の被害者の方が、適正な損害賠償を受けられるようサポートさせていただきますので、ご安心ください。

経歴 医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本リウマチ学会専門医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 兼 CEO

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