後遺障害になる関節の可動域制限とは?測定の注意点は?器質的損傷とは?
関節の可動域制限・痛み・しびれ・・・
12級以上の認定には原因究明が大事です。
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関節の可動域制限が後遺障害になる場合とは?
関節の可動域制限で後遺障害等級が認定されるのは、簡潔に説明すると次のような場合です。
交通事故の後遺障害や後遺障害認定について詳しく知りたい方は、「交通事故の後遺症が後遺障害認定されるには?弁護士が認定事例を基に解説」をご覧ください。
症状 | 等級 |
関節がほとんど動かなくなってしまった場合 | 8級 |
関節が2分の1までしか曲がらなくなってしまった場合 | 10級 |
関節が4分の3までしか曲がらなくなってしまった場合 | 12級 |
以下でもう少し詳しくご説明します。
関節の用を廃したもの(8級)
関節硬直や完全弛緩性麻痺の場合の可動域制限
関節が癒着して動かなくなったり(関節強直)、関節を動かす神経が完全に麻痺したりして、障害のある関節の可動域が障害のない関節の可動域の10%以下に制限されている場合、「関節の用を廃したもの」として8級が認められます。
人工骨頭や人工関節が挿入されている場合の可動域制限
人工骨頭や人工関節を挿入した場合は、障害のある側関節の可動域が障害のない関節の可動域の2分の1以下に制限されていれば、「関節の用を廃したもの」として8級が認められます。
関節の機能に著しい障害を残すもの(10級)
骨折、軟部組織の損傷、神経麻痺による可動域制限
骨折、軟部組織の損傷、神経麻痺などの器質的損傷があり、障害のある側関節の可動域が障害のない関節の可動域の2分の1以下に制限されていれば、「関節の機能に著しい障害を残すもの」として10級が認められる可能性があります。
もっとも、関節の可動域が2分の1以下に制限されるほどの器質的損傷の存在が証明することが必要で、軽微な骨折であったり、軟部組織が部分的に損傷している程度では、高度の可動域制限の原因となる器質的損傷が認められないとして。10級の認定を受けられないことが多いです。
器質的損傷の証明の方法については、後でご説明します。
人工骨頭や人工関節が挿入されている場合
人工骨頭や人工関節を挿入した場合には、可動域制限がなくとも10級が認められる可能性があります。
もっとも、人工骨頭や人工関節を挿入する必要があるほどの怪我だったのかが争われる場合がありますので、注意が必要です。
関節の機能に障害を残すもの(12級)
骨折、軟部組織の損傷、神経麻痺などの器質的損傷があり、障害のある側関節の可動域が障害のない関節の可動域の4分の3以下に制限されていれば、「関節の機能に障害を残すもの」として12級が認められる可能性があります。
もっとも、関節の可動域が4分の3以下に制限されるほどの器質的損傷の存在が証明することが必要で、軽微な骨折であったり、軟部組織の損傷が明らかでない場合には、12級の認定を受けられないことが多いです。
関節の可動域測定の注意点
後遺障害診断書への記入
関節の可動域制限について後遺障害等級の認定を受けるには、日本整形外科学会等が制定した正式な測定方法である関節可動域表示ならびに測定法に基づいて測定してもらった上で、後遺障害診断書の可動域の記載欄に記入してもらう必要があります。
他動値と自動値
可動域制限を判断する際は、自分で動かして測定した自動値ではなく、医師などに動かしてもらって測定した他動値で判断するのが原則ですので、他動値が重要です。
怪我をした関節の可動域の他動値が、怪我をしていない関節の可動域の他動値の2分の1または4分の3を少しでも上回ると10級または12級が認定されない可能性が高くなります。
なお、神経麻痺がある場合などには、他人が動かしても関節は動きますが、自分では関節を動かせませんので、自分で動かして測定した自動値も重要になります。
後遺障害診断書には、関節の可動域の他動値と自働値を正確に記入してもらう必要があります。
怪我をしていない関節の可動域の重要性
医師も患者も怪我をした関節の可動域の測定に注意するあまり、怪我をしていない関節の可動域の測定がいい加減になりがちですが、そのような場合、とてつもない不利益を受ける可能性があります。
先ほども説明したように、後遺障害等級は、怪我をした関節と怪我をしていない関節の可動域を比較して認定します。
例えば、肩は180度上がるのが通常だと思いますが、怪我をしていない肩を目一杯上げずに可動域の測定値が150度になったとします。
そうすると、怪我をした肩の可動域が90度であった場合、怪我をしていない肩を180度まで目一杯上げていれば、怪我をした肩の可動域が2分の1以下になって10級が認められるのに、怪我をしていない肩の測定値が150度だと、怪我をした肩の可動域は2分の1以下にならず、12級品認められないということになってしまいます。
その結果、千万円単位で損をすることになるのです。
このページの最後で怪我をしていない関節の可動域の重要性がよくわかる事例をご説明します。
器質的損傷とは
関節の可動域制限が、自賠責の後遺障害等級認定で12級以上の後遺障害等級として認められるには、交通事故による怪我がこれらの症状を生じさせるだけの明らかな損傷(器質的損傷)であることを証明することが必要となります。
具体的には、レントゲン、CT、MRIといった画像上の異常所見の有無が重要になりますが、事故受傷時の画像所見と治療終了時の画像所見の両方が大事になります。確認
交通事故受傷時の画像所見
事故受傷時の画像に異常所見があるかどうかは、交通事故と関節の可動域制限と交通事故との因果関係を証明する上でとても大事です。
画像の読影はとても難しく、画像上の微妙な変化を評価しなければならないこともありますので、患者を実際に診察している医師であっても評価を誤ることがあります。
ましてや自賠責に画像の評価を委ねると、誤った後遺障害等級を認定される可能性がありますので、積極的に画像上の異常所見を指摘する必要があります。
治療終了時の画像所見
器質的損傷は、治療終了時に残存している必要があります。
例えば、交通事故で骨折をしたとしても、治療によって綺麗にくっついた(癒合した)場合や、交通事故で腱板や靭帯を損傷したとしても手術等で綺麗に接合できた場合には、治療終了時点では器質的損傷は存在しないとされる可能性があります。
しかし、一見、治療終了時点で綺麗に癒合・接合しているように見えても、事故当初の怪我の程度、治療の経過、手術の内容を分析すれば、治療終了時においても器質的損傷が存在することを証明できることもあります。
リンクスの弁護士の解決事例でご説明します。
LINX FILE 039足の骨折による可動域制限で異議を申立て 14級が10級になった事例
依頼前
足の骨折が完治したと評価されて14級認定
依頼後
異議申立てで後遺症を証明し10級認定
ご相談の経緯
保険会社に後遺障害等級認定を任せる事前認定の手続をされましたが、骨折は綺麗に癒合しているとして14級しか認定されず、リンクスの弁護士に依頼されました。
リンクスの弁護士が、保険会社から後遺障害診断書を取り寄せたところ、怪我をした足首の可動域が45度、怪我をしていない足首の可動域が70度で4分の3以下になっており、12級が認められうる事案であると判断しました。
さらに、リンクスの弁護士が、被害者女性に後遺障害診断書のける可動域の測定値を確認したところ、被害者女性は自分はバレエをしていたことから、骨折していない方の足首は90度曲がるということが判明しました。
後遺障害診断書の可動域の再測定
後遺障害診断書の可動域の測定値のうち、怪我をしていない方の数値を再測定してもらうのは、特別な事情がなければ難しいです。
再測定の際に、被害者が後遺障害等級を取るためにわざと曲げないことを警戒するからです。
しかし、怪我をしていない方の数値がもっと曲がるので再測定してほしいということについては、数値の誤魔化しの可能性がないので、受け入れてくれることが多いです。
本件でも再測定をお願いしたところ、やはり90度曲がるということが明らかとなりました。
顧問医との協議
リンクスの弁護士は、顧問医と協議した結果、確かに骨折は綺麗に癒合しているが、骨折の態様は単なる骨折ではなく脱臼であり、周囲の軟部組織も著しく損傷しているから、可動域制限の原因となる 器質的損傷は十分にあると結論付けました。
異議申立て
リンクスの弁護士は、次の内容の異議申立書を作成し、異議を申し立てました。
- レントゲン画像から骨折の態様を明らかにして周囲の軟部組織が損傷していることを説明
- 左足関節の可動域は45度、右足関節の可動域である90度の2分の1に制限されているから10級である
その結果、自賠責は、骨折が周囲の組織に及ぼした影響を認め、後遺障害10級であると認定しました。
このように、器質的損傷が存在することを証明するには、医学的知識に加えて、後遺障害等級認定の基準に関する知識やノウハウが重要ですので、後遺障害等級認定に詳しい弁護士と医師が連携することが大事になります。
14級・12級・10級の後遺障害の補償の違い
14級と12級と10級では、下記のとおり、補償の額がかなり違います。
被害者女性は、後遺障害10級になったことで。後遺障害の補償が2260万円余り増額することになりました。
等級 | 後遺症慰謝料 | 後遺障害逸失利益 | 後遺障害の補償 |
14級 | 110万円 | 88万3515円 | 198万3515円 |
12級 | 290万円 | 460万7809円 | 750万7809円 |
10級 | 550万円 | 1909万2482円 | 2459万2482円 |
14級の後遺障害の補償
後遺障害慰謝料
後遺障害が残ったことによる慰謝料で、入通院をしたこと自体による慰謝料とは別に認められます。
14級の後遺障害慰謝料は裁判基準で110万円になります。
後遺障害逸失利益
家事労働の場合、女性の全年齢平均賃金を基礎収入として算定します。令和3年の賃金センサスでは385万9400円です。
14級の後遺障害が残った場合、5%の労働能力の制限が5年程度続くと考えますので、以下の計算式となります。
385万8400円×0.05×4.5797=88万3515円
合計
110万円+88万3515円=198万3515円
12級の後遺障害の補償
後遺障害慰謝料
12級の後遺障害慰謝料は裁判基準で290万円になります。
後遺障害逸失利益
12級の後遺障害が残った場合、14%の労働能力の制限が10年程度続くと考えますので、以下の計算式となります。
385万8400円×0.05×8.5302=460万7809円
合計
290万円+460万7809円=750万7809円
10級の後遺障害の補償
後遺障害慰謝料
10級の後遺障害慰謝料は裁判基準で550万円になります。
後遺障害逸失利益
10級の後遺障害が残った場合、27%の労働能力の制限が就労可能年齢である67歳まで続くと考えます。
例えば、40歳の女性の場合、27年間影響が続くこととなり、以下の計算式となります。
385万8400円×0.27×18.3270=1909万2482円
合計
550万円+1909万2482円=2459万2482円
リンクスは異議申立てによる等級変更の実績が多数
リンクスの弁護士は、3000人以上の交通事故被害者の方から無料相談をお受けし、1500人以上の交通事故被害者の方からのご依頼を解決してきました。
その中で、多数の異議申立てのご依頼を受け、後遺障害等級の変更を認めさせてきました。
リンクスのススメ
リンクスでは、後遺障害等級認定結果に納得していない方、異議申立てで等級を変更したい方をはじめ交通事故でお困りの被害者の方のため、無料相談をさせて頂いておりますので、是非ご利用ください。
このコンテンツの監修
弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。
リンクスの顧問医のご紹介
法律事務所リンクスのの顧問医の濱口裕之です。
後遺障害等級認定に当たっては、主治医が作成する後遺障害診断書、画像や検査が大事ですが、多忙な主治医は、「充実した内容の後遺障害診断書」を作成したり、後遺障害を証明するために必要な「画像の撮影」や「検査の実施」を積極的に提案してくれるとは限りません。
私が代表医師を務めるメディカルコンサルティング合同会社では、法律事務所リンクスに依頼された交通事故被害者の方の主治医が作成した後遺障害診断書などを、交通事故に詳しい各科の専門医が画像鑑定や意見書などを作成して補填することが可能です。
私たちは、交通事故被害者の皆様の後遺障害を証明するために、数多くの案件で法律事務所リンクスの弁護士と連携し、結果を出してきました。このページをご覧になっている交通事故の被害者の方が、適正な損害賠償を受けられるようサポートさせていただきますので、ご安心ください。
経歴 | 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 日本リウマチ学会専門医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 兼 CEO |
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