交通事故の通院慰謝料は1日いくら?事故で病院に行くとお金がもらえる?
交通事故の通院慰謝料は通院の期間や回数で決まる。
弁護士に依頼すると慰謝料の金額が上がる。
交通事故の通院慰謝料が1日いくらかは、自賠責基準では怪我の内容にかかわらず4300円、弁護士基準ではむちうちなど軽傷で6333円、骨折などで9333円になります(1か月に10日通院した場合)。
事故で病院に行くともらえるお金は、治療費と通院慰謝料であり、休業が必要な場合に休業損害をもらうことができます。
このページでは、法律事務所リンクスの交通事故に強い弁護士が、通院慰謝料と事故で病院に行くともらえるお金とについて説明します。
通院慰謝料以外を含む交通事故の慰謝料の全般的な相場については、「交通事故の慰謝料の相場が知りたい」をご覧ください。
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交通事故の通院慰謝料の相場と計算方法
自賠責基準の通院慰謝料の相場と計算方法
自賠責基準は「自賠責保険会社が支払う慰謝料額の基準」になります。
加害者が、自賠責保険にのみ加入していた場合、この基準で慰謝料額を算出します。
自賠責基準の慰謝料は、入院でも通院でも変わらず「1日4300円」となります(参照:「自賠責保険の慰謝料は通院日額4300円?計算したら2倍の通院慰謝料になることも?」)。。
日数の計算方法は以下の通りです。
- 入院日数と通院期間の合計(総入通院期間)
- 入院日数と退院後の実通院日数×2
上記の「どちらか日数が少ない方×4300円」で慰謝料額が決定します。
例えば、通院期間が3ヶ月、実通院日数が24日だったとします。
- 90日(総入通院期間)
- 24(実通院日数)×2=48
②の方が少なくなるため、48日×6,300円=20万6,400円となります。
任意保険基準の通院慰謝料と計算方法
任意保険基準は「任意保険会社が提示してくる慰謝料の算出基準」のこと。
基準に関しては、任意保険会社が独自に定めています。
金額的には「自賠責保険から支払われる金額よりは高く」「実際に裁判になったときに支払わなくてはならないであろう金額(弁護士基準)よりは低く」算出されるのが特徴です。
任意保険基準の場合、基本的に通院日数は考慮されません。通院の期間のみが評価されます。
旧任意保険基準の場合、以下の算定表を使って慰謝料額を決定します。
「入院期間は表の横(列)」、「通院期間は表の縦(行)」を見ることで慰謝料が算出できます。
例えば入院2ヶ月、通院6か月の場合、慰謝料額は102.1万円となります。
任意保険基準は、交渉をする保険会社によって金額が異なる場合があるため、参考程度にお考えください。
弁護士基準の通院慰謝料の相場と計算方法
弁護士基準は「弁護士が示談交渉や、実際の裁判の際の主張に用いる慰謝料の算出基準」のこと。
3つの算出基準の中で最も高額な基準となります。
「裁判の際になった際に支払いが認められるであろう金額」であるため、裁判基準とも呼ばれます。
過去の裁判例や文献など、法的根拠を持って示談交渉を行うため、慰謝料が高額化しやすくなるだけでなく、加害者側も裁判に持ち込むメリットがないため、示談がまとまりやすくなります。
弁護士基準での金額の算出は、任意保険基準と同じく、表を用いて行います。
一般的な交通事故のけがの場合、上記の表(別表1)を用いて金額を算出します。
むちうちなど、他覚症状(けがを証明する医学的証拠)がない場合の慰謝料額は、下記の表(別表2)を用いて決定します。
通院慰謝料を増額させるこつと減額されないための知恵
通院慰謝料を増額させるこつ
完治するまで通院を続けること
まず、完治するまで通院を続けること。入通院慰謝料の金額は、入院期間や日数と連動しています。
「途中で治療を途中でやめること」は「慰謝料の請求を途中でやめること」と同義です。
ある程度治ったからといって、途中で通院をやめてはいけません。
完治するまでしっかり治療を続けることが、慰謝料の増額に繋がります。
相手の保険会社の言いなりにならない
慰謝料に限らず、加害者が被害者に支払う損害賠償金は、示談によって決定します。
相手の保険会社は、基本的に「示談金を少なめに見積もって提案してくる」ことを覚えておきましょう。
保険会社は営利企業ですので、支出は少しでも少なくしたいはずです。
相手の保険会社が提案してきた金額に、違和感を覚えた場合には、絶対に示談書にサインをしてはいけません。
まずは「なぜこの金額なのか」根拠を求めるべきです。
そのうえで、自分で反論できるならすべきですが、相手は交渉のプロですので、うまく行かない可能性が高いです。
その場合は、弁護士に依頼して、示談交渉を代理してもらいましょう。
弁護士に依頼すること
一番重要なのは、示談交渉をはじめとした一連の手続きを、弁護士に依頼することです。
先ほど、入通院慰謝料の計算例を紹介しましたが、弁護士基準で請求すると慰謝料の金額が高額化します。
弁護士基準での請求は弁護士にしかできません。また、弁護士に依頼することで以下のリスクや心配ごとを回避できます。
- 自分でやりとりをする必要がないため、精神的ストレスが減る
- 示談交渉で相手の保険会社に言いくるめられるリスクが減る
- 適切な後遺障害の認定を受けられなくなるリスクが減る など
通院慰謝料を減額されないための知恵
通院慰謝料は、通院日数や期間で慰謝料を算出します。
ですので、通院をサボってしまうと慰謝料の金額が少なくなる可能性があります。
できることなら、事故発生直後の段階から弁護士に相談し、適切な通院ペースを保つようにしましょう。
過剰な通院はトラブルのおそれあり
慰謝料を増やす目的で、過剰なペースで通院するのはおすすめしません。
相手方から「過剰な診療」と判断された場合、慰謝料の金額が増えないだけでなく、治療費の負担を打ち切られてしまう可能性があります。
事故で病院に行くともらえるお金
治療費
治療にかかった費用が病院に支払われます。
もっとも、治療費負担の対象となるのは「事故発生~完治(もしくは症状固定日)」までです。
症状固定日以降の治療は加害者に負担させることはできません。
症状固定とは「けがの回復がこれ以上見込めないと判断すること」で、被害者と医師が相談の上で決定します。
とはいえ、症状固定までの期間は医師との相談で無限に延ばせるわけではなく「むちうちなら6か月」「高次脳機能障害なら1年」などと、ある程度相場が決まっています。
通院交通費
通院にかかった交通費のうち、妥当なものが支払われます。
タクシーに乗る必要がないのにタクシーを利用して通院してもタクシー代は支払われません。
タクシーの必要がある場合でも領収証がないと支払われません。
公共交通機関を利用した場合には領収証は不要です。
休業損害
事故で病院に通院するために休業する場合には休業損害を受け取ることができます。
通院慰謝料に関するよくある質問
最後に、入通院慰謝料に関するよくある質問を紹介します。
通院1日だけでも慰謝料はもらえる?
交通事故によりけがを負い、1日でも通院した場合には入通院慰謝料が発生します。
通院1日だけの場合、慰謝料の金額は期待できないことを覚えておきましょう。
入通院慰謝料はいつ受け取れる?
入通院慰謝料が受け取れるのは「けがが完治し、示談が済んだあと」になります。
入通院慰謝料の金額は、被害者の通院期間や日数によって算出されますので、完治するまでは金額を決めることができません。
後遺障害が疑われる場合には、後遺障害の認定を受けてから示談交渉がはじまりますので、さらに時間がかかるでしょう。
一般的な事故でしたら、入通院慰謝料が受け取れるのは、事故発生から半年~1年後くらいになります。
半年通院した場合の慰謝料は?
半年間、3日に1回のペースで通院を続けた場合の入通院慰謝料の金額は以下になります。
- 自賠責基準…51万6,000円
- 任意保険基準…64万3,000円
- 弁護士基準…116万円
慰謝料の金額は参考としてお考えください。最も金額の高い「弁護士基準」で請求するためには、示談交渉を弁護士に依頼する必要があります。
4ヶ月で60日通院した場合の慰謝料は?
4ヶ月で60日通院した場合の慰謝料は以下になります。
- 自賠責基準…51万6,000円
- 任意保険基準…47万9,000円
- 弁護士基準…90万円
慰謝料の金額は参考としてお考えください。
加害者が任意保険に加入しているか、被害者が示談交渉を弁護士に依頼するか、などによって、どの基準で慰謝料が算出されるかが決まります。
まとめ
交通事故の「通院に対する慰謝料」について説明しました。
人身事故が起こり、被害者が入院や通院をした場合、入通院慰謝料が発生します。
入通院慰謝料は、入通院の期間や日数によって金額が変化するため、完治するまでしっかり通院し続けることをおすすめします。
入通院慰謝料の最低金額は、自賠責基準で定められた「1日4,300円~」です。
相手が、任意保険に加入していたり(任意保険基準)、被害者が弁護士をつけたり(弁護士基準)した場合、慰謝料の算出方法が変わり、金額が増額します。
また、加害者から被害者に支払われるのは慰謝料だけではありません。けがの治療費や交通費、休業した分の賃金など、多岐に渡ります。
適切な損害賠償を受けるため、慰謝料の金額をアップさせるためにも、一度弁護士に相談することをおすすめします。
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このコンテンツの監修
弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。