交通事故の慰謝料は誰が払う?加害者はもらえる?被害者の保険会社は?
交通事故の慰謝料は加害者が払う。
弁護士に依頼すると金額が増加する。
交通事故の被害者の慰謝料は誰が払うかというと、「加害者側の任意保険会社」が支払うのが原則ですが、場合によっては、加害者側の自賠責保険や被害者側の保険会社の人身傷害保険が支払うこともあります。
本来、交通事故の被害者の慰謝料は「加害者本人」が支払うものです。しかし、交通事故の賠償金は高額になることも多く、いざという時のために多くの方が任意保険に加入しています。そのため、交通事故の慰謝料は、加害者本人に代わって保険会社が支払うのです。
もっとも、加害者側の任意保険が対応しない場合や被害者の過失割合が大きい場合などには、自賠責保険や人身傷害保険から支払ってもらうこともあります。
また、交通事故の加害者でも、慰謝料がもらえる場合があります。
このページでは、法律事務所リンクスの交通事故に強い弁護士が、「交通事故の慰謝料を誰が支払うのか」「交通事故の加害者が慰謝料をもらえる場合」などについて解説します。
交通事故の慰謝料の相場についてお知りになりたい場合には、「交通事故の慰謝料の相場はどうなっている?」をご覧ください。
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交通事故の被害者の慰謝料は誰が支払う?
加害者側の任意保険会社が支払うのが原則
交通事故の被害者の慰謝料は「加害者側の任意保険会社」が支払うのが基本です。
車の保険には、自賠責保険と任意保険があります。事故の被害に遭った際には、この2つの保険から慰謝料が支払われます。
自賠責保険とは、強制保険とも呼ばれており、すべての車に加入が義務付けられている保険です。ただし、自賠責保険から支払われる賠償金には限度額(傷害部分は120万円)が定められており、被害者が受け取れる補償も最低限のものになっています。
一方、任意保険とは、自賠責保険では補えない部分をカバーするための保険です。任意で加入する保険ですが、加入率は約90%(共済含む)となっています(参考:自動車保険の概況2022年度版|損害保険料算出機構 )。
交通事故の慰謝料は、ほとんどのケースで自賠責保険と任意保険会社から支払われます。
任意保険会社は、自賠責保険で補償される部分も含めて、被害者に賠償金を支払います。そのため、被害者は「自賠責保険」と「任意保険」両方に請求する必要はありません。
任意保険会社に対して請求を行えば、自賠責保険に対しての請求は省けるのです。
任意保険以外に請求しないといけない場合
任意保険が対応しない場合
加害者が任意保険を使いたくない場合や被害者の過失が大きい場合などは、任意保険が慰謝料の支払いに対応しません。
このような場合、被害者側の保険に人身傷害保険が附帯していて利用できる場合には、人身傷害保険を利用することをおすすめします。
人身傷害保険を利用しても保険料は上がりませんので、ご安心ください。
当面の治療費を人身傷害保険に負担してもらった上で、どのようにして任意保険に慰謝料を支払ってもらうのかを検討することになります。
人身傷害保険がない場合には、自賠責保険への請求を検討することになります。
任意保険が治療費を打ち切った場合
任意保険が治療費を打ち切るのは、任意保険が治療の必要性がなくなったと判断した場合です。
このような場合には、健康保険を利用して治療を継続した後で、打ち切り後の治療費の自己負担部分を自賠責保険に請求し、更に請求すべき損害があれば、任意保険に請求することになります。
交通事故の加害者でも慰謝料をもらえる?
交通事故の加害者でも、慰謝料を請求できるケースはあります。交通事故は、必ず加害者が100%悪いという訳ではなく、双方の落ち度を「過失割合」として表します。
過失割合が「10対0」の場合には、被害者に落ち度が全くないため、被害者側に対して慰謝料を請求することはできませんし、加害者に怪我がなかった場合にも、原則として慰謝料は発生しません。
しかし、被害者にも過失があり、加害者が怪我で入院や通院をしたケースでは、相手方の自賠責保険・任意保険に慰謝料を請求することができます。
例えば、図のような右折対直進の事故では、右折車が加害者になりますが、その過失割合は80%となるのが原則なので、相手方の保険に慰謝料を請求することができます(直進車に速度超過がある場合などには加害者の過失割合は更に少なくなります。)。
また、自身の人身傷害保険が利用できる場合には、加害者の過失が100%であっても、自身の人身傷害保険に慰謝料を請求することができます。
ご自身の人身傷害保険が附帯していて利用できる場合、自身の過失割合が100%であろうとなかろうと、まずは人身傷害保険を利用するのがおすすめです。
人身傷害保険の利用
人身傷害保険は、加害者の過失の程度に関わらず、治療費や休業損害、慰謝料などを保険金として支払ってくれます。
加害者になってしまった場合には、是非とも利用すべき保険です。
相手方の自賠責保険への請求
相手方が自賠責保険に加入している場合には、自賠責保険に請求することができます。
自賠責保険は過失割合が7割未満の場合、過失相殺を行いませんので、治療費等と合わせて120万円までの範囲であれば、自賠責基準の慰謝料を支払ってくれます。
これに対し、7割以上の重過失がある場合には、次のとおり支払額を減額します。
過失割合 | 治療費・休業損害・慰謝料等 | 後遺障害・死亡事故 |
7割未満 | 減額なし | 減額なし |
7~8割未満 | 2割減 | 2割減 |
8~9割未満 | 2割減 | 3割減 |
9~10割未満 | 2割減 | 5割減 |
10割 | 自賠責からの支払いなし | 自賠責からの支払いなし |
相手方の任意保険への請求
加害者であっても、相手方の過失割合分については、自身の損害を相手方に請求することができます。
例えば、治療費・休業損害・慰謝料等で300万円の損害が発生し、自身の過失割合が6割、相手方の過失割合が4割であった場合、相手方に300万円×6割=180万円を請求することができますが、自賠責保険から120万円を受け取っている場合、残りの60万円を請求することになります。
もっとも、相手方の任意保険に60万円を請求しても、相手方の任意保険は損害を争うなどして支払わないことが多いです。
自身の過失割合が大きいものの、怪我も重く、相手方の任意保険への請求が見込まれるという場合には、弁護士に依頼することを検討しなければなりません。
まとめ
交通事故の慰謝料を誰が払うのかと言えば、通常は「加害者側の任意保険会社」です。また、交通事故の被害者は、慰謝料に限らず、休業損害や治療費なども請求できます。
慰謝料は「弁護士基準」で請求することで、最も高額な慰謝料の獲得を期待できます。被害者が損をしないためにも、交通事故に遭われた方は弁護士にご相談ください。
法律事務所リンクスでは、全国から交通事故のご相談を受け付けています。弁護士に無料相談できますので、まずはお気軽にご連絡ください。
このコンテンツの監修
弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。