後遺障害等級11級の金額は?慰謝料・逸失利益・労災の計算を解説

後遺障害11級は弁護士への依頼で大幅増額します
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この記事の目次
後遺障害11級の金額や慰謝料は?
後遺障害等級11級の金額は、自賠責基準で331万円ですが、弁護士に依頼したら慰謝料420万円+逸失利益で数百万円~2000万円です。
後遺障害11級の金額は慰謝料の計算と逸失利益から成り立っており、相手方から提示される示談金(賠償金)にもこの2つの項目があります(なお、労災で後遺障害11級が認定された場合には、障害補償給付として給付基礎日額(給与相当額)×223日分、障害特別支給金として29万円が支払われます。)。
しかし、相手方は、多額の示談金(賠償金)を支払いたくありませんので、裁判所が定めている本来支払うべき基準の慰謝料や逸失利益よりも、かなり低い金額を示談金として提示してきます。
相手方に後遺障害等級11級の本来の慰謝料や逸失利益を支払わせるためには、弁護士に依頼する必要があります。
以下では、弁護士に依頼した場合に支払われる後遺障害等級11級の金額や後遺障害11級7号の逸失利益の判例について、ご説明します。
後遺障害11級の逸失利益
後遺障害逸失利益は、後遺症が将来の仕事・家事に与える影響に対する補償です。次の3つの数字を掛け合わせて、補償額を決めることになります。
- 被害者の収入(職がない方の場合は働いたら得られる見込みのある収入)
- 後遺障害等級ごとに決まっている労働能力喪失の割合
- 後遺障害が将来の仕事・家事に影響を及ぼす期間(労働能力喪失期間)
11級の場合、②は20%(ただし傷病によっては14%程度に制限されることがある)、③は症状固定から67歳まで(ただし症状によっては10年程度に制限されることがある)とされていますので、後遺障害の内容や被害者の収入・年齢によって、次のような後遺障害逸失利益が認められることになります。
収入・仕事 | 年齢 | 逸失利益 |
20代男性(平均賃金) | 25歳 | 547万×0.2×17.4232=1907万 |
会社員(年収400万) | 40歳 | 400万×0.2×14.6430=1171万 |
主婦(女性平均賃金) | 55歳 | 372万×0.2×10.8377=806万 |
後遺障害11級の金額の計算
後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を合計すると、次の金額になります(後遺障害の補償とは別に休業補償や慰謝料は支払われるので、実際に示談する額はより大きくなります。)。
収入 | 逸失利益 | 慰謝料 | 合計 |
20代男性 | 1907万 | 420万 | 2327万 |
年400万 | 1171万 | 1591万 | |
主婦 | 806万 | 1226万 |
後遺障害11級の金額の説明を動画でご覧になりたい方はコチラ
後遺障害11級とは?
後遺障害11級とは次のような後遺症が残った場合に認められるものです。特に後遺障害11級7号は、頚椎、胸椎、腰椎といった首・腰・背骨(脊椎)を圧迫骨折した場合や脊椎固定術をした場合などに認定される後遺障害でよく見られるものです。
1号 | 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
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2号 | 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
3号 | 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
4号 | 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
5号 | 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
6号 | 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
7号 | 脊柱に変形を残すもの |
8号 | 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの |
9号 | 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの |
10号 | 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの |
後遺障害11級7号の逸失利益と判例
後遺障害11級7号とは頚椎、胸椎、腰椎といった首・腰・背骨(脊椎)を圧迫骨折した場合や脊椎固定術をした場合などに認められ、法律事務所リンクスとしても解決事例が豊富です。
リンクスの解決事例① 介護福祉士男性(30代)
【腰椎骨折11級】11級認定の介護福祉士が弁護士に依頼し、賠償金が500万円から1800万円になった事例
後遺障害併合11級の事例
複数の後遺障害がある場合、併合されて等級が上がることがあります。この場合は、等級表には掲載されていない症状で後遺障害11級と認定されることになり、後遺障害併合11級といいます。以下は、後遺障害併合11級の解決事例です。
リンクスの解決事例② 会社員男性(30代)
【膝可動域制限・下肢短縮11級】無保険の加害者から支払を受けられず困っていた被害者男性が、人身傷害保険を利用し後遺障害11級賠償金1800万円を獲得した事例
この記事の筆者
弁護士 藤川真之介
弁護士法人法律事務所リンクス(京都弁護士会)代表弁護士。交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号に掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(登録番号35346)。