追突事故でむちうち!交通事故のむち打ち症状とは?首の痛みの治療法は?
自己判断で治療を止めるのはNG
交通事故の示談交渉は弁護士に依頼する
交通事故のむちうちとは、事故の衝撃で首や腰を捻ったり、打ちつけることやこれによって生じた症状のことを指します。
交通事故でむちうちになると、首や腰だけでなく、手足など他の部位にも症状が出ることがあります。
このページでは、法律事務所リンクスの交通事故に強い弁護士が、むちうちの症状や治療方法、損害賠償金の請求方法などを広く解説します。
追突事故でむちうちになった場合の慰謝料や示談金については、「10対0事故の示談金の相場は?追突事故でむちうちの慰謝料は?」をご覧ください。
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交通事故のむちうちとは?
まず、交通事故で発生するむちうちとはなんなのか、概要を理解しましょう。
正式名称は頸椎捻挫・腰椎捻挫
むちうちは病名ではなく、症状または受傷機転(怪我をしたきっかけのこと)です。
首のむちうちの病名は「頸椎捻挫(けいついねんざ)」や「外傷性頸部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)」、腰のむちうちの病名は「腰椎捻挫(ようついねんざ)」や「腰部打撲(ようぶだぼく)」とされることが多いです。
事故時の強い衝撃で首や腰に負担がかかることで、首や腰だけでなく、手足にもしびれが出たりします。
交通事故の衝撃によって首や腰がむちのようにしなるため「むちうち」と呼ばれます。
交通事故でむちうちが多い理由
むちうちは、交通事故で負う怪我の中でも特に多いもののひとつです。というのは、交通事故で最も多い追突事故で発生する怪我だからです。
追突事故の際、車体に後ろから衝撃が加わりますが、体はシートベルトによって固定されていますが、固定されていない頭や首は前に進もうとします。
そこで、頚や腰をひねったり、打ち付けたりするということが起きてしまうのです。
交通事故のむちうちの症状
むちうちの症状は首の痛みやしびれだけでなく、多岐に渡りますので、代表的な症状を紹介します。
むちうちでよくある症状
むちうちでよくあるのは以下のような症状です。
- 首や腰の痛み
- 首や腰が曲がらなくなる
- 肩から手にかけて痛みやしびれがでる
- 握力が下がる
- 足に痛みやしびれが出る
- 頭痛
- めまいやふらつき、吐き気
- 耳鳴り
- 目がかすむ など
首や腰は身体の重要な神経や血管が集まる部分であり、脊髄が通っているため、他の部位に影響を及ぼすことがあります。
むちうちの類型
むちうちは、完治せずに後遺症が残ることがあります。むちうちの後遺症の例は次のとおりです。
- 頸椎捻挫型:頸部や付近の人体や軟部組織の損傷による首の痛みや肩こり
- バレリュー症状型:自律神経の異常による頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、目のかすみ
- 神経根症状型:神経根の圧迫による上下肢のしびれや筋力低下
- 脊髄症状型:脊髄の圧迫による上下肢のしびれや知覚障害、歩行障害
交通事故でむちうちは病院?整骨院?
病院への通院は必要不可欠
交通事故でむちうちになった場合には必ず病院に行くようにしましょう。病院への通院の際の注意点は次のとおりです。
- 首や腰のレントゲンを撮影してもらい骨に異常がないかを確認する。
- 骨に異常がないようであれば、リハビリのための通院をする。
- リハビリ設備がなければ紹介状をもらって転院する。
- むちうちの症状が続くようであれば、周囲の軟部組織に異常がないかを確認するため、MRIを撮影する。
- 耳鳴りやめまいがある場合には紹介状をもらって耳鼻科にも通院する。
整骨院への通院の注意点
整形外科への定期的な通院は必要不可欠ですが、場所や時間、リハビリの関係で、整骨院を併用する場合もあるかと思います。
その場合には、次の点に注意してください。
- 整形外科の医師が拒否している場合には整骨院は利用できない
- 整形外科に定期的に通院しない場合には治療費が打ち切られる可能性が高い
- 後遺症が残った場合、整骨院は後遺障害を証明してはくれない
交通事故のむちうちの治療法
次にむちうちの治療法について紹介します。
まずは安静にして炎症を抑える
むちうちになったら、まずは安静にして炎症を抑えることが重要です。肩こりのような症状があったとしても、無理に動かしたり、マッサージしたりしてはいけません。炎症が広がり、症状が悪化する可能性があります。
薬による治療
頭や首に痛みがある場合には、飲み薬や湿布を処方して症状を押さえながら、自然回復するのを待ちます。
消炎鎮痛剤といいますが、いわゆる、痛み止めのことです。
ブロック注射
比較的重度のむちうちになった場合、痛みやしびれが長く続く可能性があります。その際に試みられる治療として、神経ブロックという注射を行うことがあります。
末梢の血管を拡張して血行を改善したり、緊張した筋肉を緩める効果があるため、むちうちの回復が期待できます。
理学療法
理学療法とは、患者に運動をさせたり、体に物理的刺激を加えたりすることで、基本的動作能力の回復を図る治療法です。
むちうちで首をあまり動かさないようにしていると、それが肩こりにつながったり、血行が悪くなることで回復が遅くなったりする可能性があります。
そこで、患者の症状に合わせて運動療法を行ったり、熱や電気、振動などの刺激を加えることによって改善を促します。
交通事故によるむちうちが後遺障害として認められる場合
交通事故によるむちうちの治療をして6か月経っても完治せず、症状が残るようであれば、医師と相談し、後遺障害認定の手続きに進みましょう。
次の条件を満たしている場合には、後遺障害として認められる可能性があります。
- 整形外科に週2、3回通院していた
- 約6か月間、治療を中断することなく、通院を続けた
- MRIの撮影で異常が見つかった
詳しくは、「むちうち後遺症で後遺障害認定確率は難しい?7つのポイントをご紹介」をご覧ください。
交通事故が原因でむちうちになった場合にもらえるお金
交通事故でむちうちになったときに加害者(加害者が加入している保険会社)からもらえるお金を紹介します。
治療関係費
病院での治療や整骨院での施術に要した費用です。通常は保険会社が病院や整骨院に直接支払います。
通院交通費
病院や整骨院に通うのにかかった交通費です。
公共交通機関の場合には実費精算となり、自家用車の場合には病院への距離×1km当たり15円とされています。
むちうちの場合、タクシーでの通院は認められないことが多いです。
休業損害
むちうちで通院して会社を休むと、その分給料が減少します。
減少した分の給料に関しては、相手の保険会社に請求することができます。
入通院慰謝料
交通事故による怪我で入通院せざるを得なくなった精神的苦痛に対する損害賠償金です。
入院期間と通院期間を基礎として金額が決まります。
後遺障害慰謝料
交通事故による怪我で後遺障害が残ったことにより生じた精神的苦痛に対する損害賠償金です。
むちうちで後遺障害が残ったと認められた場合、後遺障害14級が認められることが多いですが、神経根の圧迫等がMRIで明らかに認められ、症状と合致する場合には、後遺障害12級が認められることがあります。
後遺障害14級が認められた場合の後遺障害慰謝料は110万円、後遺障害12級が認められた場合の後遺障害慰謝料は290万円です。
【関連:交通事故の慰謝料相場!人身事故の被害者はいくらもらえる?】
後遺障害逸失利益
交通事故によって後遺障害が残ると、労働能力が低下します。その損害を補償するのが「後遺障害逸失利益」です。
後遺障害逸失利益の計算方法は、事故前の年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間です。
労働能力喪失率は、後遺障害14級の場合は5%、後遺障害12級の場合は14%です。
労働能力喪失期間は、後遺障害14級の場合は5年程度、後遺障害12級の場合は10年程度です。
交通事故でむちうちになった際にもらえるお金の相場
交通事故でむちうちになった場合に、相手の保険会社からもらえる損害賠償金の相場を紹介します。
- 1~3か月程度で治るむちうちの場合:数十万円程度
- 3~6か月程度で治るむちうちの場合:数十万円~百万円程度
- むちうちで後遺障害14級に認定された場合:200~400万円程度
損害賠償金の金額は、事故の当事者が示談で決めることが多いです。事故の過失割合や交渉力によって金額が変わることを覚えておきましょう。
示談交渉を弁護士に依頼すると、慰謝料の金額が上がる可能性が高くなりますので、示談が思うように進まない人や、損害賠償金の増額を目指したい人は、一度弁護士に相談するのがおすすめです。
交通事故のむちうちで損害賠償金をもらうまでの流れ
交通事故のむちうちになってから、損害賠償金をもらうまでの流れを簡単に説明します。
- 事故が発生したら速やかに整形外科を受診し、治療を開始する
- むちうちが完治または症状固定になるまで治療を続ける
- 症状固定をした場合、後遺障害認定の手続きをする
- 後遺障害認定の結果が出たら、それを踏まえて加害者と示談交渉をする
- 加害者と示談できなければ、裁判などで決着をつける
死亡事故や重度の後遺障害が残るような事故では裁判に発展することもありますが、むちうち程度の事故では、裁判に発展する可能性は低いでしょう。
両者にとって、裁判をしてまで争うメリットがないからです。
【関連:交通事故慰謝料示談金いつもらえる振り込まれる?支払期間早める知恵は?】
交通事故でむちうちになったときに気をつけること
交通事故でむちうちになったときに気をつけることを紹介します。
むちうちは後から症状が出ることがある
交通事故直後には大した症状でなくても、後になって症状が重くなることがありますので、事故直後に病院に行き、レントゲン撮影とをしてもらうことが大切です。
治療費の打ち切りにあいやすい
むちうちは画像上の異常がないことが多いので、治療が長引くと、「慰謝料を増やす目的であえて通院しているのでは?」などと相手の保険会社から疑われ、治療費の負担を打ち切られてしまう可能性があります。
「治療費の負担を打ち切る」と宣言されたとしても、痛みが残っているのであれば健康保険を利用して治療を継続してください。
治療費負担を打ち切られないようにするには、途中で治療をやめたりせず、一定の間隔で通院し続けることが大切です。
途中でやめると慰謝料が安くなる
加害者の保険会社から支払われる「入通院慰謝料」は、入院や通院の回数や期間で金額が変わります。
まだ治療が必要なのに途中でやめてしまうのは、慰謝料請求を途中でやめたり、あきらめたりするのと同じことです。
適切な金額を受け取るためには、医師がやめていいと判断するまで、治療を受け続けることが大切です。
【関連:症状固定とは?誰が決める?言われたら固定日の決め方は?】
半年で完治しなければ後遺障害認定の可能性がある
むちうちは、治療を開始してから半年程度経過すると、医師から「これ以上の回復の見込みなし」と判断され、症状固定をする可能性が高いです。
症状固定をしたあとは、後遺障害診断書などを作成し、後遺障害認定手続きを行います。
むちうちが後遺障害認定された場合、それだけでも損害賠償金がぐっと上がります。重度のむちうちになった人は、後遺障害認定のことを視野に入れておくようにしましょう。
【関連:むちうち後遺症で後遺障害認定確率は難しい?7つのポイントをご紹介】
交通事故のむちうちによくある質問
追突事故はむちうちになりやすい?
追突事故は後ろから衝撃が加わるため、首が前に動きやすいです。結果、頸部に負担がかかるため、むちうちになりやすいです。
むちうちは症状が出るまでどれくらいかかる?
むちうちの症状は、事故直後から数日後にかけて現れることがあります。痛みがすぐに出なくても、異変を感じたら早めに医師の診察を受けることが重要です。
交通事故のむちうちはすぐ病院にいくべき?
むちうちは、事故直後は痛みを感じないことが多いですが、時間が経ってから痛みが出てくることがあります。ですので、念のためすぐに病院にいって受診するようにしましょう。
後からむちうちの症状が出た場合、すぐに治療を受けることで、「事故とむちうちの因果関係」を証明することが大切です。
まとめ
むちうちは、交通事故で首に負担がかかって起こるけがのことをいいます。
事故時に車体が衝撃を受け、体はシートベルトに固定されたまま、頭部だけが前に動くことによって、首を痛めることが多いです。
むちうちになったら、治療費や休業分の休業、慰謝料など、様々な損害賠償金を受け取ることができます。治療期間によって慰謝料の金額が変わるので、治療を途中でやめたりせず、医師がやめていいというまで治療を続けましょう。
むちうちや交通事故でお悩みの人は、一度弁護士に相談しましょう。法律事務所リンクスでは、交通事故に強い弁護士が、無料相談を受け付けています。
お電話でわかりやすく説明いたしますので、お気軽にご利用ください。
このコンテンツの監修
弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。