肩腱板損傷で後遺症12級の示談金は?10級は難しい?因果関係なく非該当?
肩腱板損傷の後遺障害等級は争われる可能性が高い。
だから顧問医がいる後遺障害に強い弁護士への
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肩腱板損傷の後遺障害等級はいくら?
肩腱板は棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋、肩甲下筋腱から構成されますが、交通事故で損傷することが多いのは棘上筋腱です。
肩腱板損傷で後遺障害等級が認定されるのは、次のような場合です。
- 肩腱板損傷によって肩関節の可動域が制限された場合に10級または12級
- 肩腱板損傷によって肩に痛みなどの神経症状が残った場合に12級または14級
このぺーじでは、肩腱板損傷の後遺障害等級と法律事務所リンクスが肩腱板損傷で医師の意見書を取得し後遺症12級を獲得した事例(判例)をご紹介します。
後遺障害12級の金額の計算について詳しく知りたい方は、「後遺障害12級の金額は?慰謝料・逸失利益・労災の計算は?通院日数と認定率は?」をご覧ください。
肩腱板損傷で10級は難しい?
結論から言うと肩腱板損傷で10級を獲得するのはかなり難しいです。
肩腱板損傷で10級が認定されるのは、腱板を損傷した方の肩が、腱板を損傷していない方の肩に比べて2分の1までしか挙がらない場合です。
したがって、腱板を損傷していない方の腕が180度挙がる場合、10級が認められるのは、腱板を損傷した方の腕が肩から上に挙がらない場合ということになります。
こう聞くと、肩腱板損傷で肩から上に腕が挙がらないとおっしゃる交通事故被害者の方はたくさんいらっしゃるので、10級が難しいということはないのではないかと思われるかもしれません。
しかし、可動域の数値は、被害者が自分で腕を挙げてみた数値が採用されるのではなく、医師が日本整形外科学会等が制定した関節可動域表示ならびに測定法によって客観的に測定しますので、なかなか肩から上に腕が挙がらないという測定にはなりにくいです。
また、腱板損傷の有無や程度はMRI画像によって確認することになりますが、MRI画像における損傷所見からして、10級が認定されないということもあります。
具体的には、肩腱板が完全断裂かそれに近いほど深刻であれば10級が認定される可能性がありますが、それ程の損傷ではない場合には10級は難しいということになります。
もっとも、肩腱板が完全断裂かそれに近いほど深刻であれば手術して修復することが多く、手術による修復が認められる場合には、痛みなどの神経症状が残っているとしても後遺障害14級止まりになることが多いです。
肩腱板損傷は因果関係が認められないと後遺症非該当?
肩腱板損傷が交通事故による肩の受傷後まもなく撮影されたMRI画像で確認できれば12級が認定される可能性が高いです。
もっとも、交通事故の際に、肩腱板を損傷するような受傷態様であったのかが問題とされることがあります。例えば、四輪車に搭乗中の追突事故でシートベルトをしていたという場合、肩を強く打ちつけていないことが多く、肩腱板損傷を受傷したのかを争われることが多いです。
また、交通事故から数カ月経過してからMRI画像を撮影した場合、肩腱板損傷が確認でいたとしても、受傷から時間が経過していることで外傷によるものかどうか不鮮明になることが多く、特に中年~高齢者の場合などには加齢性の肩腱板損傷ではないかと言われることがあります。
このように肩腱板損傷と交通事故との因果関係が否定されると後遺症非該当となったり、単なる肩の打撲により炎症が残ったに過ぎないとして14級しか認められないことも多いです。
肩腱板損傷で12級が認められるためには?その場合の示談金は?
- 受傷直後のMRIで新鮮な外傷があると認められること
- 受傷態様が肩腱板損傷を引き起こすようなものであると説明できること
という条件がそろっていることが望ましいです。
しかし、受傷直後にMRIを撮影することができなかった被害者の方も多いと思います。
そのような場合でも、法律事務所リンクスは、顧問医であるメディカルコンサルティング合同会社と協議しながら、12級の獲得を目指してきました。
その成果として、助手席に搭乗中の20代女性が追突事故によって肩腱板を損傷したと診断されたにもかかわらず、自賠責保険から14級しか認められず、保険会社からは交通事故との因果関係まで否定され、裁判まで争って12級を獲得し約1000万円の支払を受けた判例がありますので、ご紹介します。
この判例は、交通事故の裁判例を掲載する代表的雑誌である「自保ジャーナル」の2048号62頁で掲載されました。
肩腱板損傷の判例(リンクスの解決実績)
事案の概要
被害者女性(20代)は、赤信号で停止していた普通乗用車の助手席に搭乗していた際、座席上部のアシストグリップを握っていたところ、後方から追突されました。被害者女性は、事故直後から左肩が痛く、事故から3ヵ月しても痛みが変わらなかったので、左肩関節MRI検査を受けたところ、棘上筋部分断裂と診断されました。被害者女性は、事故から6カ月が経過しても左肩の痛みが残ったため、主治医に後遺障害診断書を作成してもらい、自賠責保険に提出しましたが、左肩関節中心の疼痛等の症状について、14級9号「局部に神経症状を残すもの」が認められたのみで、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」は認められませんでした。そこで、法律事務所リンクスの弁護士を代理人として、裁判を起こしました。
リンクスの弁護士の主張
画像上の異常所見がある
被害者女性は、本件事故により左肩関節を受傷し、MRI上で棘上筋腱滑液包側に損傷が確認された。
年齢からして加齢性の所見ではない
被害者女性の年齢からすると、加齢による変性断裂の可能性は考えにくく、本件事故によるものと考えるほかない。
腱板損傷を引き起こす受傷態様である
また、被害者女性は、本件事故時、左手で原告車両内のアシストグリップをつかんでいたところ追突を受けたのであり、左肩棘上筋及び左肩甲下筋を損傷する受傷機転としては合理的である。
保険会社の主張
画像上の異常所見はない
MRI画像に認められる左棘上筋腱内の高輝度信号は、健常でも認められる域を出ず、正常組織に含まれる脂肪や水分等であるとも考えられる。
受傷態様が軽微である
本件事故は比較的軽微な追突であり、棘上筋腱損傷が生じるような外力がかかる事故ではなく、受傷機転にはなり得ない。
初診時に肩腱板損傷を伺わせる所見がなかった
肩腱板損傷が生じるほどの強い力が加わったならば、左肩には腫脹や内出血等がみられるはずであるが、このような形跡は一切ない。
弁護士と顧問医の共同作業で後遺症を証明
リンクスの弁護士は、顧問医であるメディカルコンサルティング合同会社と協議し、次のような専門的な意見書を作成してもらいました。
- 本件事故時28歳と若年で、かつ、本件事故以前には肩の痛みなどによる通院歴はなかったことからすると、腱板損傷の既往症を有していたとは考えにくい。
- 初診時から症状固定に至るまで、一貫して左肩痛及び挙上困難を訴えていることからすると、本件事故後に何らかの損傷が生じたとは考えにくい。
- T2強調脂肪抑制矢状断像において、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋などの腱板を構成する筋群に筋委縮や脂肪浸潤を認められなかったことからすると、新しい腱板損傷と考えて矛盾しない。
- 腱板断裂は棘上筋腱滑液包面部分断裂であり、腱板の損傷による出血は肩峰下から三角筋下滑液包内に留まることが予想されるが、外表から腫脹を確認できるほどの滑液包内液貯留を生じる可能性は高いとはいえず、初診時外傷所見に『左肩関節部の主張等の訴えは無かった』との記載があったとしても腱板断裂を生じていないことを裏付ける根拠にはならないので、初診時の外傷所見において、左肩関節部の腫脹等の訴えがなかったことをもって、本件事故により左肩棘上筋腱部分断裂を生じたことを否定することはできない。
- 「交通外傷による肩関節障害の治療経験」という文献で棘上筋腱不全断裂例の中には29歳の患者が紹介されており、「年齢が若い症例で軽めの事故であっても腱板に大きなエネルギーがかかり損傷すること」があり得るとされている。
裁判所の判断
裁判所は、リンクスの弁護士が提出した意見書を踏まえ、
- 本件事故により左肩腱板部分断裂が生じたこと
- 被害者女性には、左肩関節の疼痛が残存しており、これは、本件事故直後から治療期間中を通じて一貫したもので、棘上筋腱の損傷によるものと考えられるから、他覚的所見によって証明されたものとして、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する
と判断し、既払金や遅延損害金を含めて約1000万円の損害賠償金を認めました。
リンクスは肩腱板損傷の後遺障害等級の獲得実績多数
リンクスの弁護士は、3000人以上の交通事故被害者の方から無料相談をお受けし、1500人以上の交通事故被害者のご依頼を解決してきました。
その中で、数多くの肩腱板損傷の後遺障害等級を獲得し、適正な補償を実現させてきました。
リンクスのススメ
リンクスでは、肩腱板損傷による後遺障害でお困りの方、適切な後遺障害等級認定を受け、適正な補償をお受け取りになられたい方をはじめ交通事故でお困りの被害者の方のため、無料相談 をさせて頂いておりますので、是非ご利用ください。
このコンテンツの監修
弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。
リンクスの顧問医のご紹介
法律事務所リンクスのの顧問医の濱口裕之です。
後遺障害等級認定に当たっては、主治医が作成する後遺障害診断書、画像や検査が大事ですが、多忙な主治医は、「充実した内容の後遺障害診断書」を作成したり、後遺障害を証明するために必要な「画像の撮影」や「検査の実施」を積極的に提案してくれるとは限りません。
私が代表医師を務めるメディカルコンサルティング合同会社では、法律事務所リンクスに依頼された交通事故被害者の方の主治医が作成した後遺障害診断書などを、交通事故に詳しい各科の専門医が画像鑑定や意見書などを作成して補填することが可能です。
私たちは、交通事故被害者の皆様の後遺障害を証明するために、数多くの案件で法律事務所リンクスの弁護士と連携し、結果を出してきました。このページをご覧になっている交通事故の被害者の方が、適正な損害賠償を受けられるようサポートさせていただきますので、ご安心ください。
経歴 | 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 日本リウマチ学会専門医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 兼 CEO |
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