交通事故の示談金の相場や内訳は?人身事故を弁護士が示談交渉でいくら?
交通事故の示談金の相場は複雑。
示談交渉を弁護士に依頼すると慰謝料が増加する。
交通事故の示談金の平均的な相場がいくらかは、物損事故の場合は数万円~数十万円、人身事故で怪我が完治した場合は数十万円~100万円、人身事故で後遺障害が残った場合は数百万円~数千万円、死亡事故の場合は数千万円~1億円程度です。
交通事故の内容 | 示談金の相場 |
---|---|
物損事故 | 数万円~数十万円 |
人身事故で怪我が完治した場合 | 数十万円~100万円 |
人身事故で後遺障害が残った場合 | 数百万円~数千万円 |
死亡事故 | 数千万円~1億円程度 |
交通事故の示談金には、慰謝料のほかに治療費、休業損害、後遺障害の補償といった様々な内訳がありますので、示談金の詳しい相場を知るには、それぞれの内訳の相場を知る必要があります。
このページでは、法律事務所リンクスの交通事故に強い弁護士が、交通事故の示談金の平均的な相場や示談金の内訳ごとの詳細な相場を解説します。
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交通事故の示談金の平均的な相場
物損事故の示談金の相場
物損事故の示談金の相場は、数万円~数十万円程度です。
物損事故の場合、車に損傷はありましたが、運転者はけがをしていない状態です。よって、被害者に生じた損害は、車の修理代など、「物の損害」に限定されます。
駐車場内などでの軽くこすっただけの事故であれば示談金は数万円、通常の速度での物損事故であれば示談金は数十万円程度で済むことが多いです。
これに対し、高速で衝突した場合や被害者の車が高級車だった場合などには、示談金が数百万円になることもあります。
人身事故で後遺症がない場合の示談金の相場
人身事故で後遺症がない場合の示談金の相場は、数十万円~100万円程度です。
人身事故の場合、物損事故と違い、被害者はけがをしていますので、車の修理代などの他にも、治療費、休業損害、慰謝料といった様々な損害が発生します。
そのため、示談金も高額になりますが、後遺症が残っていないので、100万円程度までで収まることが多いです。
もっとも、怪我の内容が重症の場合には、後遺症が残らなかったとしても、治療費や休業損害、慰謝料が高額になり、示談金が100万円を超えることもあります。
人身事故で後遺症が残った場合の示談金の相場
人身事故で後遺症が残った場合の示談金の相場は、数百万円~数千万円です。
後遺症が残って、後遺障害1級~14級が認定された場合、示談金には次の2つの後遺障害の補償が加わります。
- 後遺障害慰謝料(後遺障害を負ったことに対する精神的苦痛に対する補償)
- 後遺障害逸失利益(後遺障害を負ったことで将来仕事によって得られたはずの所得を失ったことに対する補償)
後遺障害慰謝料の相場は、後遺障害等級に応じて、110万円~2800万円と幅が広いです。
後遺障害逸失利益の相場も、後遺障害等級に応じて、数十万円~数千万円と幅が広いです。
死亡事故の示談金の相場
死亡事故の示談金の相場は、数千万円~1億円です。
死亡事故の場合、示談金の主な内訳は次の3つです。
- 葬儀費用
- 死亡慰謝料(死亡事故で亡くなったことによる精神的苦痛に対する補償)
- 死亡逸失利益(死亡事故で亡くなったことで将来得られなくなった所得の補償)
葬儀費用の相場は150万円程度であり、死亡事故の慰謝料の相場は2000万円~2800万円です。
これに対し、死亡逸失利益の相場は、事故前の収入や年齢によって、数百万円~数千万円と幅が広いですし、年金収入についても補償されます。
詳しくは「交通死亡事故の賠償金保険金の平均や最高額は?」をご覧ください。
交通事故の示談金を弁護士が増額した事例
主婦が追突事故でむちうちとなり後遺障害14級が認められ示談金が360万円に増額した事例
被害者の主婦の方は追突事故でむちうちになり、家事や育児が満足にできない状態が続きましたが、むちうちで後遺症が残ったらと不安になり、リンクスの弁護士に相談することにしました。
リンクスの弁護士は、被害者が指先のしびれや太ももの裏の痛みを訴えていたことから、首・腰のMRIを撮影することをアドバイスするとともに、症状が続いている間は週3回程度はリハビリ通院を続けることをアドバイスしました。
被害者は、リンクスの弁護士のアドバイスに従い、通院を続けましたが、残念ながら症状は改善しなかったため、治療を終了することになりました。
リンクスの弁護士は、主治医にどのような後遺障害診断書を作成してもらうとよいかをアドバイスし、適切な後遺障害診断書を作成してもらうことができました。
その後、リンクスの弁護士が、後遺障害等級認定の手続を取り、無事に14級の認定を受け、自賠責保険から75万円の支払いを受けることができました。
リンクスの弁護士は、主婦の休業補償や後遺障害14級の慰謝料・逸失利益を含む示談金を請求したところ、相手方の保険会社から285万円の示談金を受け取ることができ、自賠責保険と合わせて360万円の示談金を受け取ることに成功しました。
この示談金増額事例について詳しく知りたい方は、「主婦が交通事故でむちうちになり休業補償や後遺症の補償を含めて360万円の示談金を受け取った事例」をご覧ください。
後遺障害14級の示談金の金額について詳しく知りたい方は、「後遺障害14級の金額は75万円?認定率は?慰謝料・逸失利益・示談金の計算は?」をご覧ください。
大腿骨骨折後の痛みで後遺障害14級9号しか認められなかったが異議申し立てで12級13号が認められ示談金が300万円→700万円→1200万円と増額した事例
被害者男性(20代)は、自転車を運転していたところ、自動車に衝突されて転倒し、大腿骨を骨折しました。
その後、被害者男性は、レントゲン上では大腿骨の骨折は癒合しましたが、股関節に強い痛みが残りました。
被害者男性は、自分で後遺障害等級の認定手続をとりましたが、後遺障害14級9号しか認められませんでした。このままでは300万円程度の示談金しか得られないため、このまま示談することに納得できず、リンクスの弁護士に依頼することにしました。
リンクスの弁護士は、レントゲンでは見えない原因がある可能性を考え、被害者男性にMRIの撮影を勧めました。
その結果、被害者男性の大腿骨の骨頭の一部が壊死していることが判明し、これが強い痛みの原因であることが分かりました。
リンクスの弁護士が、MRIを付けて異議を申し立てたところ、後遺障害12級13号が認められました。
保険会社は骨頭壊死の範囲は非常に小さく、将来への影響は限定的であると主張して、示談金は700万円であると主張してきましたが、リンクスの弁護士が、骨頭壊死は今は限定的でも、今後股関節に負荷がかかることにより拡大していく可能性があることを医学的に証明した結果、示談金は1200万円に増額しました。
この示談金事例について詳しく知りたい方は、「大腿骨骨折をした20代男性の逸失利益等で過失相殺4割されたにもかかわらず1200万円の賠償を獲得した事例」をご覧ください。
後遺障害12級の示談金の金額について詳しく知りたい方は、「後遺障害12級の金額は?慰謝料・逸失利益・労災の計算は?通院日数と認定率は?」をご覧ください。
高次脳機能障害で後遺障害9級が認められたのに1700万円余りしか支払わないと主張した保険会社に裁判を起こして示談金が4200万円余りに増額した事例
被害者女性(10代)が友人運転の自動二輪車に同乗して赤信号で停止していたところ、後方から衝突されて飛ばされ、頭がい骨骨折、脳挫傷を負い、救急搬送されました。
被害者女性はその後回復しましたが、お母様が娘の今後を心配されて、リンクスの弁護士の無料相談を利用されました。
リンクスの弁護士は、被害者女性のお怪我の内容から、将来的に高次脳機能障害と診断される可能性があると考えました。
被害者女性は、リンクスの弁護士と話していてもあまり異常さは感じませんでしたが、お母様に話を聞くと、お母さまが被害者女性にお願いしたことができていなかったり、同じことを繰り返していたりする異常があるとのことでした。
そこで、主治医に高次脳機能障害であるという後遺障害診断書を作成してもらい、自賠責保険に後遺障害認定手続きを取ったところ、後遺障害9級10号が認められ、自賠責保険金として616万円が支払われました。
リンクスの弁護士は、自賠責保険金以外の示談金として3600万円余りを請求して、相手方の保険会社と示談交渉しましたが、相手方の保険会社は1100万円しか支払わないとのことでした。
そこで、リンクスの弁護士はやむなく裁判を起こしたところ、裁判所はリンクスの弁護士の主張する金額を全面的に認め、自賠責保険金616万円に加えて3600万円を支払う和解案を提示しました。
結果的に、示談金は自賠責保険金を含めて4200万円余りに増額しました。
この示談金事例について詳しく知りたい方は、「【高次脳機能障害9級10号】が認定されて賠償金4200万円余が認められた事例」をご覧ください。
後遺症9級のその他の示談金事例について詳しく知りたい方は、「後遺障害9級の慰謝料の金額や逸失利益の計算は?示談金事例や労災は?」をご覧ください。
20代女性の死亡事故の示談金が7000万円から8500万円に増額した事例
被害者女性(20代)が、横断歩道でひかれて亡くなる事故があり、加害者の対応が不誠実であるとのことで、ご両親がご相談にいらっしゃいました。
リンクスの弁護士は、ご本人が事故に遭わなければ手に入れていたであろうキャリア、結婚・妊娠・出産といった人生を歩めなかったご本人の無念さ、ご本人の今後の人生を見ることが叶わなかったご両親の悲しみをできる限り評価してもらえるよう、次のような考えのもとで損害を計算の上、交渉しました。
- ご本人が得られたであろう収入(逸失利益)を計算するにあたっては今後のキャリアを踏まえた金額とすべきこと
- 死亡慰謝料についてはご本人の無念さやご両親の悲しみを十分に考慮した金額とすべきこと
これに対し、保険会社は、
- ご本人が得られたであろう収入(逸失利益)については一定程度リンクス側の主張を認めたものの、
- 死亡慰謝料についても独身女性であるとから2000万円であるとして、
7000万円程度の示談金を提示してきました。
リンクスの弁護士は、保険会社に対し、被害者の遺族が刑事裁判に参加するなど峻烈な感情を持っていることなどを主張して、示談金の増額を求めました。
その結果、
- ご本人が得られたであろう収入(逸失利益)については、ほぼリンクス側の主張を認め、
- 死亡慰謝料についても独身女性の慰謝料の相場としては上限である2500万円を認め、
8500万円を超える示談金の支払に応じました。
裁判による増額の可能性もありましたが、早く解決して心穏やかに過ごしたいというご遺族の希望もあり、示談で終了することとなりました。
この示談金事例について詳しく知りたい方は、「横断歩道で引かれた死亡事故の歩行者の遺族に8500万円の示談金が認められた事例」をご覧ください。
死亡事故の示談金の平均額や最高額二通いて知りたい方は、「交通死亡事故の示談金の相場は?賠償金保険金の平均や最高額は?」をご覧ください。
交通事故の示談金の内訳と計算方法
交通事故の示談金の内訳
交通事故の示談金の内訳は次のとおりです。
- 慰謝料(入通院、後遺障害、死亡)
- 休業損害
- 逸失利益(後遺障害、死亡)
- 治療費(整形外科、整骨院)
- 入院雑費
- 通院交通費
- 付添看護費
- 将来介護費
- 文書料(診断書作成費用、後遺障害診断書作成費用)
- 葬儀費用(死亡事故)
交通事故の示談金の内訳(1)慰謝料
交通事故の慰謝料の相場は、「入通院慰謝料」の相場が打撲捻挫の場合で19万円~89万円、骨折等の場合で116万円~250万円、「後遺障害慰謝料」の相場が110万円~2800万円、「死亡慰謝料」の相場が2000万円~2800万円ですが、保険会社は相場どおりに支払おうとはしません。
例えば、後遺障害14級の場合、後遺障害慰謝料は110万円になりますが、保険会社は後遺障害14級の補償として自賠責基準の75万円しか支払おうとしなかったりします。詳しくは「後遺障害14級の金額は75万円?慰謝料・逸失利益・示談金の計算は?」をご覧ください。
「入通院慰謝料」の計算は怪我の内容や入通院期間によって増減し、「後遺障害慰謝料」の計算は後遺障害等級1~14級に応じて増減し、「死亡慰謝料」の計算はお亡くなりになった方の立場や年齢によって増減します。詳しくは「交通事故の慰謝料相場!被害者はいくらもらえる?」をご覧ください。
交通事故の示談金の内訳(2)休業損害
交通事故の休業損害の相場は、給与所得者の場合には事故前3か月の給与÷90日×休業日数ですが、主婦の場合には1日1万円で計算したり、個人事業主の場合には売上と経費から計算したりします。また、会社役員の場合には、会社の事業内容を説明する必要があることが多いです。
しかし、保険会社は、主婦の場合には1日6100円でしか計算しなかったり、個人事業主の場合には確定申告をしていないと支払おうとしなかったりします。
主婦の休業損害については「主婦の休業補償」を、自営業者の休業損害については「自営業者の休業補償」を、会社役員の休業補償については「会社役員の休業補償」をご覧ください。
交通事故の示談金の内訳(3)逸失利益
交通事故の逸失利益は、後遺障害が残った場合に後遺障害がなければ稼いでいたであろう所得や、被害者が亡くなった場合に亡くならなければ得ていたであろう収入を補償するもので、示談金の大部分を占めます。
後遺障害逸失利益の相場
後遺障害がなければ稼いでいた所得を補償するのが後遺障害逸失利益ですが、その計算式は、次のとおりです。
後遺障害逸失利益=基礎年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数
後遺障害逸失利益の相場は、交通事故の前に稼いでいた所得の額や仕事の内容と後遺障害等級によって増減します。
詳しくは「逸失利益とは?損害賠償の計算を早見表でわかりやすく解説」をご覧ください。
死亡逸失利益の相場
被害者が亡くなった場合に亡くならなければ得ていたであろう収入を補償するのが死亡逸失利益ですが、その計算式は次のとおりです。
死亡逸失利益=基礎年収×(1-生活費控除率)×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数
死亡逸失利益の相場は、交通事故の前に稼いでいた所得の額やお亡くなりになられた方の立場・年齢によって増減します。
詳しくは「交通死亡事故の賠償金保険金の平均や最高額は?」をご覧ください。
交通事故の示談金の内訳(4)治療費
交通事故の治療費の相場は、必要かつ相当な実費全額が支払われます。
健康保険を利用する場合、保険会社が自己負担部分を病院に直接支払うことが多いですが、病院の都合で立替払いをしなければならない場合もあります。
整骨院の治療費については、過剰診療や高額診療が問題とされることが多く、整骨院への過剰な通院は控えた方がよいと思います。
交通事故の示談金相場(5)入院雑費
交通事故の入院雑費の相場は日額1500円ですが、被害者が弁護士を入れない場合、保険会社は自賠責基準である日額1100円を提示してきます。
交通事故の示談金の内訳(6)通院交通費
交通事故の通院交通費の相場は、公共交通機関を利用した場合には最短経路の料金、自家用車を利用した場合にはガソリン代(1km当たり15円)・病院の駐車場代です。
症状などによりタクシー利用が相当とされる場合にはタクシー代が支払われることがありますが、領収証が必要です。また、症状が改善した場合には支払われなくなります。
交通事故の示談金の内訳(7)付添看護費
入院付添費の相場
交通事故の入院付添費は、医師の指示がある場合等に限り、職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日6500円が認められます。
通院付添費の相場
交通事故の通院付添費は、症状または幼児等必要と認められる場合に限り、1日3300円が認められます。
交通事故の示談金の内訳(8)将来介護費
交通事故の将来介護費は、医師の指示または症状の程度により必要と認められる場合に限り、職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日8000円が認められますが、具体的看護の状況によって増減します。
交通事故の示談金の内訳(9)文書料
交通事故の文書料は、診断書・診療報酬明細書・後遺障害診断書・死亡診断書等の作成費用が認められますが、警察に提出する診断書の作成費用は認められないことが多く、後遺障害等級が認定されない場合には後遺障害診断書作成費用も認められないことが多いです。
交通事故の示談金の内訳(10)葬儀費用
交通事故の葬儀費用の相場は、150万円を限度に実際に支出した額が認められることが多いです。
交通事故の示談金の計算方法
交通事故の被害者が保険会社に示談金を請求する場合、保険会社から先に示談金の提案があるのが一般的です。
これに対し、被害者が弁護士を入れた場合には、被害者が請求したい損害賠償金の項目を漏れなく請求できるよう、弁護士の方で弁護士基準で示談金を計算して損害賠償請求することが多いです。
交通事故の被害者側は、交通事故の示談金を請求する主な方法は次のとおりです。
- 保険会社等に既に支払った金額と内訳の資料(既払金内訳)を求める
- 未払いの治療費がある場合にはその期間の診断書や診療報酬明細書を収集して治療費を計算する
- 未払いの通院交通費等の領収証を収集して実費を計算する
- 未払いの休業損害証明書等の資料を収集して休業損害を計算する
- 入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料を計算する
- 後遺障害逸失利益や死亡逸失利益を計算する
- 事故状況に対応する過失割合を調査して損害賠償請求額を確定する
① 既払金内訳の請求
保険会社が既に支払っている治療費や休業損害等があれば損害賠償金として計上した上で、既払い金として差し引く必要があるので、資料を請求します。
労災を利用している場合には、労災が支払った金額が分かる資料を請求する必要がある場合もあります。
② 治療費未払いの期間の診断書・診療報酬明細書の収集・計算
保険会社が治療費を支払っている期間については、保険会社が診断書と診療報酬明細書を取得しているのでそれを取得するべよいのですが、未払いの期間については被害者側で診断書と診療報酬明細書を取得して未払いの治療費を計算する必要があります。
③ 未払いの通院交通費等の実費の領収証の収集・計算
通院交通費についてはタクシーの領収証や病院の駐車料金の領収証、装具代や文書料の領収証等を収集して計算します。
④ 未払いの休業損害証明書等の収集・計算
未払いの休業損害がある場合には、給与所得者の場合には会社に休業損害証明書の作成をお願いしてもらったり、事業主の場合には確定申告書等から休業損害を計算します。
⑤ 慰謝料の計算
入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の相場を基礎としつつ、各種慰謝料の増額要素を考慮して、各種慰謝料を計算します。
⑥ 逸失利益の計算
事故前の源泉徴収票や確定申告書、未就労の場合には将来の就労の選択肢を考慮しながら、後遺障害逸失利益や死亡逸失利益を計算します。
⑦ 過失割合の調査・計算
ドライブレコーダーや防犯カメラ、実況見分調書等の刑事記録を収集して、過失割合を調査し、相手の過失割合を掛けて、損害賠償請求額を確定します。
交通事故の示談金と慰謝料の違い
交通事故の示談金とは
交通事故の示談金とは、交通事故の被害者が事故で負ったすべての損害を賠償するために支払われるものです。
先ほど説明した慰謝料のような精神的損害に加えて、休業損害、逸失利益のような消極損害(交通事故がなければ得られたであろう利益の損害)、治療関係費のような積極損害(交通事故が発生したことで被害者が支払わざるを得なくなった損害)を含みます。
交通事故の慰謝料とは
交通事故の慰謝料とは、被害者の精神的損害を賠償するために支払われるものです。交通事故で受けた精神的損害とは、怪我や後遺障害などを負ったことで、被害者に生じた辛さや不安をなどを指します。
交通事故の慰謝料と示談金について詳しく知りたい方は、「交通事故慰謝料と示談金!慰謝料と示談金は別?違いは?」をご覧ください。
交通事故の示談金の金額交渉による増額の5つのポイント
このように交通事故の示談金には様々な項目がありますが、どのポイントを押さえておけば、示談金を増額できるでしょうか。
示談金の大部分を占めるのが後遺症の補償なので、後遺症が残ったことを証明することが示談金の増額の大事なポイントということになります。
そこで、怪我をして後遺症が残りそうな場合に示談金を増額するための5つのポイントをご紹介させて頂きます。
- 症状が出たらすぐに医師に伝え、特異な症状が出た場合にはすぐに専門医を受診する
- 症状が残っている間は治療は途中で中断せずに最後まで通院する
- 後遺症が残った場合には適切な後遺障害診断書を作成する
- 弁護士基準で示談金を計算して保険会社に請求する
- 後遺障害獲得実績や示談金増額事例が豊富な交通事故に強い弁護士に依頼する
① 症状はもれなく医師に伝え、特異な症状が出た場合には専門医を受診する
症状が出た時点ですぐに医師に伝えるようにしてください。後から遅れて伝えても交通事故によって出た症状だと認められない可能性があります。
また耳鳴りやめまいが出たら耳鼻科、目が見えにくいのであれば眼科というように、特異な症状が出た場合にはすぐに専門医を受診するようにしてください。整形外科で症状を訴えても、原因が特定できないため、交通事故との因果関係が認められない可能性があるからです。
②症状が残っている間は治療を中断せずに最後まで通院する
けがの治療は最後まで行うこと、また一定のペースで続けることが重要です。
入通院慰謝料の金額は、通院回数や通院期間とリンクしています。通院期間が長いほど、慰謝料の金額も上がっていきます。
途中で通院をやめてしまうことは、慰謝料請求を途中でやめることと同義です。
「もう治りかけだから」などと自己判断せず、完治するまで通院を続けましょう。
また、通院ペースに波があると、「もう完治したもの」と見なされ、途中で治療費の負担を打ち切られてしまう可能性があります。
加害者側の保険会社に「まだ治っていない、事故の治療は続いている」とアピールするためにも、一定のペースで通院することをおすすめします。
③ 後遺症が残った場合には適切な後遺障害診断書を作成する
後遺症が残った場合、適切な後遺障害診断書を作成してもらって、自身の症状にふさわしい後遺障害等級を認定してもらう必要があります。
医師は治療して症状を治すことに関心がありますが、後遺症を証明することにはそこまで関心がありません。
また、後遺障害診断書を作成するのは医師にとって大変な手間なので、医師任せにしていては内容の乏しい後遺障害診断書となってしまう可能性があります。
そこで、法律事務所リンクスでは、医師に手間を掛けないように、どのような後遺障害診断書を作成してほしいのかを書面にしてお伝えするようにしています。
④ 弁護士基準で示談金を計算して保険会社に請求する
既に説明した計算方法で示談金を計算して保険会社に請求しますが、弁護士基準で示談金を計算する必要があります。
もっとも、被害者の方ご本人が弁護士基準で示談金を計算して請求しても、保険会社は弁護士基準の示談金を支払ってはくれませんので、弁護士への依頼が不可欠です。
詳しくは、「交通事故の慰謝料の示談交渉を自分で弁護士基準に?保険会社が嫌がる負けない?」をご覧ください。
⑤ 後遺障害獲得実績や示談金増額事例が豊富な交通事故に強い弁護士に依頼する
ここまで説明したように、被害者が専門家のサポートを受けずに後遺障害の獲得や示談金を増額することは難しいので、弁護士に依頼する必要がありますが、交通事故に強い弁護士に依頼しないと適切なサポートは受けられません。
後遺障害の獲得実績や示談金増額事例の豊富な弁護士に依頼するのが安心です。
交通事故の示談金の請求を弁護士に依頼するメリット
相手方とやりとりする手間やストレスが省ける
示談交渉を弁護士に依頼すると、当事者の代理人となり、相手方とのやりとりを行ってくれます。
相手の保険会社との連絡は、決して楽しいものではありません。面倒に感じたり、納得がいかなかったり、ストレスになることの方が多いでしょう。
弁護士に任せておけば、相手方と連絡を取る必要はなくなり、ストレスからも解放されます。被害者は、けがの治療に専念できるでしょう。
弁護士基準による高額な慰謝料請求が可能
示談金のうち、積極損害や消極損害については、ある程度実費を目安に金額を決めることができます。が、慰謝料に関しては例外です。
慰謝料は精神的苦痛(精神的損害)に対して支払われるので、明確な出費や損害がないからです。ですので、相手の保険会社が提示してきた慰謝料額をもとに交渉を行うことが多いです(任意保険基準)。
弁護士に示談交渉を依頼すると、「弁護士基準」と呼ばれる、過去の裁判の結果や文献などで定められた相場をもとに慰謝料請求を行います。
弁護士基準は「裁判になったら認められるであろう支払額」でもあるので、法的根拠があり、相手方との交渉にも強いという特徴があります。
結果として、弁護士に示談交渉を依頼すると、依頼しない場合と比べて高い慰謝料が獲得できる可能性が高くなるのです。
示談交渉で主導権を握られない
前提として、任意保険会社は、自社の利益を追求する民間企業です。慈善事業を行っているわけではありません。
ですので、加害者側の任意保険会社は、示談金を少しでも安くできるように示談交渉を行います。
お金を払うのは相手(加害者)側だということもあり、被害者側は立場が弱いため、示談交渉で主導権を握られてしまいやすいのです。
示談金を低く見積もられたり、治療費の負担を途中で打ち切られたりなど、被害者からしたら頭を抱えるような提案をしてくることも考えられますが、弁護士に依頼しておけば、そういった心配も無用になります。
交通事故の示談金でよくある質問
最後に、示談金に関してよくある質問を紹介します。
示談金が30万円になるケースは?
示談金が30万円になるケースは、主に物損事故でしょう。物損事故の場合、車の修理代などが示談金のメインになるからです。
人身事故の場合、通院が1ヶ月以内で済む軽傷のケースなどが考えられます。
軽い接触事故の示談金は?
軽い接触事故の示談金は安くなります。
軽く触れた程度の事故であれば、当事者がけがをする可能性も低く、物損事故になる可能性が高いです。
そのため、示談金は「数万円~数十万円」となると考えられます。
示談金はいつもらえる?
示談金がもらえるのは、「被害者のすべての損害が確定し、示談が成立したあと」となります。具体的には以下の流れになります。
- 被害者のけがが完治、もしくは後遺障害の有無が確定し、総損害額が確定する
- 総損害額を基に示談交渉を行う
- 示談が成立する
- 示談金が支払われる
実際に支払われるのは、示談が成立し、示談書にサインをしてから1~2週間後、事故発生からは半年~1年程度かかることが多いです。
示談金は誰に請求する?
示談金の請求相手は加害者またはその保険会社になります。
まとめ
交通事故の示談金について説明しました。示談金は、事故の被害者が受けた損害を賠償(つぐなう)するため、加害者から支払われるお金です。
交通事故を起こすこと自体は犯罪(刑事問題)ではないため、被害者が受けた損害をどのように賠償するかは、当事者同士の話し合い(民事)で決定しなくてはなりません。
示談金額は、被害者が受けた損害の総額から、被害者の過失分を差し引くことで決定します(過失相殺)。
示談交渉や、示談金の支払いを実際に支払うのは、加害者本人ではなく、加害者が加入している任意保険会社であることが多いです。
示談は「お互いが納得すれば何円でも問題ない」ため、相手の保険会社の言いなりになっていると、少なめの金額で決着がついてしまう可能性があります。
示談金の額に疑問や違和感がある場合には、示談書にサインせず、弁護士に相談しましょう。そこで、示談金が妥当かどうかのアドバイスをもらうことができます。
法律事務所リンクスの弁護士では、交通事故に関する疑問を無料電話相談で分かりやすく説明しています、お気軽にご利用ください。
このコンテンツの監修
弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
交通事故の被害者の救済に取り組む。特に後遺障害等級の獲得に注力し、担当した裁判例が交通事故専門誌「自保ジャーナル」2048号等多数掲載。京都大学法学部卒業。2007年弁護士登録(日弁連登録番号35346)。京都弁護士会所属。2016年に交通事故被害者のための法律事務所として弁護士法人法律事務所リンクス(日弁連届出番号1030)創設。
リンクスの顧問医のご紹介
法律事務所リンクスのの顧問医の濱口裕之です。
後遺障害等級認定に当たっては、主治医が作成する後遺障害診断書、画像や検査が大事ですが、多忙な主治医は、「充実した内容の後遺障害診断書」を作成したり、後遺障害を証明するために必要な「画像の撮影」や「検査の実施」を積極的に提案してくれるとは限りません。
私が代表医師を務めるメディカルコンサルティング合同会社では、法律事務所リンクスに依頼された交通事故被害者の方の主治医が作成した後遺障害診断書などを、交通事故に詳しい各科の専門医が画像鑑定や意見書などを作成して補填することが可能です。
私たちは、交通事故被害者の皆様の後遺障害を証明するために、数多くの案件で法律事務所リンクスの弁護士と連携し、結果を出してきました。このページをご覧になっている交通事故の被害者の方が、適正な損害賠償を受けられるようサポートさせていただきますので、ご安心ください。
経歴 | 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 日本リウマチ学会専門医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 兼 CEO |
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