住まない実家は相続してはいけない?空き家売却?放棄?
実家が空き家になって困っているのですが?
誰も継がない田舎の実家じまいはどうする?
親の死後、実家の持ち家に誰も住む人がいないという場合、その家は空き家になってしまいます。
空き家を長年放置しておくと、その間に相続人が亡くなるなどして、相続人が孫世代に移ってしまい、相続人が多数となって、遺産分割が進まないという問題が発生します。
また、空き家の相続には次のようなデメリットがあるため、誰も相続したくないという問題も生じます。
空き家の相続のデメリット
空き家の相続のデメリットは次の3つです。
- 管理費用がかかる
- 解体費用がかかる
- 固定資産税がかかる
管理費用と解体費用については説明不要だと思いますので、固定資産税について説明します。
まず、空き家を持ち続けるだけで固定資産税がかかること自体がデメリットですが、次の場合には更なるデメリットが発生します。
- 特定空き家に指定された場合
- 京都市の空き家税の対象になる場合
特定空き家に指定された場合には固定資産税が6倍に!
特定空き家とは次のような空き家のうち、自治体から特定空き家として指定されたものを指します。
- そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態にある空き家
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態にある空き家
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態にある空き家
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空き家
自治体から特定空き家に指定され、助言・指導を経て、勧告を受けると、住宅用地の特例(人が住むための土地の固定資産税を6分の1にする特例)が適用されなくなり、固定資産税額が6倍になる場合があります。
命令に違反すれば最大50万円の過料
自治体の勧告に応じない場合、命令が出されることがありますが、命令に違反した場合には、最大50万円以下の過料が科される可能性があります。
京都市は空き家税を導入!いつから?対象は?固定資産税はいくら?
京都市は令和8年度以降に空き家税を導入することを予定しています。具体的には次のような場合に課税される予定です。
- 納税義務者(空き家税の対象)
市街化区域内にある非居住住宅(固定資産評価額が20万円未満(当面の5年間は100万円未満)のものを除く)の所有者で、事業・賃貸・売却をしているまたは1年以内に予定していたり、転勤や介護施設への入所により一時的に居住していないといった事情がない者 - 相続の場合の徴税猶予
非居住住宅の居住者又は所有者が死亡した場合、最大3年間は、税の徴収を猶予し、猶予期間中に非居住住宅で亡くなった場合には、孫奐の納税義務が免除される。 - 税額(固定資産税はいくら)
固定資産評価額(家屋)×0・7%と敷地の1㎡当たりの固定資産評価額×家屋床面積×税率を合計して算出
空き家の相続放棄?
このように空き家の相続を放置しておくとデメリットがあるので、家庭裁判所で相続放棄することも考えられます。
しかし、相続放棄をしてしまうと、他にも相続財産がある場合にはその財産も相続できなくなりますし、相続放棄をしても他の相続人が相続しなければ空き家の管理責任が残ってしまうので、抜本的な解決策にはならないことが多いです。
空き家は放置せず名義変更か売却を
そこで、空き家については、次の2つのいずれかをお勧めします。
- 相続したい人がいれば早期に名義変更するために遺産分割協議をする
- 相続したい人ががいなければできる限り早く売却する
空き家を名義変更する場合
空き家の名義変更をする場合の流れは次のとおりです。
- 空き家の価値を査定する
- 空き家を相続しない相続人が代わりに受け取るお金(代償金)を決める
- 遺産分割協議書を作成する
- 登記名義を変更する
登記名義を変更するには、遺産分割協議書を作成して法務局に受け付けてもらわなければなりません。
遺産分割協議書を作成するには、そこに遺産分割の方法を決めなければなりません。
したがって、この中で最も重要なのは、①と②ということになります。
名義変更について詳しく知りたい方は「亡くなった親の土地の名義変更しないとどうなる?相続手続きの期限は?」をご覧ください。
なお、空き家の相続を希望しているのにこれに他の相続人が応じない場合の対処法については、「住んでいる家の相続で兄弟がもめる?子供が単独相続して住み続けるには?」を参考にしてください。
空き家を売却する場合
空き家を売却するあ愛にも、相続人全員の同意を得て登記名義を相続人の誰かに変更する必要があります。
空き家を売却する場合でも、空き家の売却に合わせて遺産分割をすることになりますので、次のステップをとる必要があります。
- 遺産分割方法の決定
- 遺産分割協議書の作成
- 登記名義の変更
- 売却
不動産の売却について詳しくお知りになりたい方は「不動産を売却して現金で分けたい」を、空き家の売却を希望しているのにこれに他の相続人が応じない場合の対処法については、「亡くなった親の家土地を売るには?相続せず勝手に売却処分は可能?」をご覧ください。
空き家の売却に際しては、遺品整理や不用品の処分が必要になる場合がありますが、「不用品・粗大ゴミ回収なら片付け侍」などで見積もりを取ることが可能です。
空き家の売却の税金で3000万円の控除を利用するには?
空き家を売却する場合、売却益に対して譲渡所得税が課税されますが、下記の要件を満たす場合には、売却益から3000万円を控除することができます。
家の性質
- 空き家の建築年月日が昭和56年5月31日以前であること
- 空き家が区分所有建物でないこと
相続・利用状況
- 被相続人が空き家に一人暮らしであったこと(老人ホームに入居していた場合でも一定の場合には可)
- 空き家だけでなく敷地も相続したこと
- 相続から売却までの間利用されていなかったこと
売却条件
- 第三者に売却したこと
- 売却代金が1億円以下であること
- 家屋を耐震リフォームするか取り壊して売却したこと
- 相続開始から3年を経過する日が属する年の末までに売却したこと
遺産相続に強い弁護士への相談が必要
このように、空き家の相続には様々な難しい問題がありますので、遺産相続に強い弁護士への無料相談をされることをお勧めしております。
遺産相続の専門家には、弁護士のほかに、司法書士、税理士がいます。
司法書士は登記の専門家、税理士は税の専門家ですが、法律の専門家ではないため、法的に難しい問題が生じた時に対応ができません。
弁護士は、遺産相続の手続にも紛争にも精通しておりますので、遺産相続の最初から最後までトータルサポートさせて頂くことが可能です。
法律事務所リンクスでは遺産相続問題に強い弁護士が無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
遺産分割協議の着手金0円・報酬後払い
法律事務所リンクスに遺産分割協議をご依頼いただいた場合の弁護士費用は、次のとおりです(別途実費がかかります。)。
ご依頼を頂く際には弁護士費用を頂いておりませんので、ご依頼頂きやすくなっております。
取得額 | 着手金 | 報酬 |
~3000万円 | 0円 | 11%+22万 |
~1億円に当たる部分 | 8.8% | |
1億円を超える部分 | 5.5% |
※1 弁護士費用とは別に実費(各種資料取得費用、通信費等)がかかります。
※2 成功報酬の最低額は55万円です。
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