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遺言がないと困る人 内縁(事実婚)の夫婦に必要な遺言

内縁(事実婚)の夫婦のとるべき相続対策とは?

内縁(事実婚)の夫婦に遺言が必要な理由

遺産の受取

内縁の妻(夫)には配偶者の財産を相続する権利がありませんので、遺産を受け取るには、入籍して法律上の婚姻関係を結び相続人にするか、遺言書を作成して遺贈してもらうかすることが必要です。

特別縁故者として認めてもらって相続財産の分与を受けるということも考えられますが、相続人がいる場合には相続財産の分与を受けられませんし、相続人がいない場合でも確実に特別縁故者として認められるとは限りませんし、特別縁故者として認められてもすべての財産の分与を受けられるかはわかりません。

したがって、入籍するつもりはない、または少なくとも当面は入籍を考えていないという内縁の夫婦で、配偶者の遺産を受け取るには、遺言書を作成してもらう必要があります。

子供の認知

内縁の夫婦の方で子供がいるという場合は、内縁の夫が子供を認知していれば内縁の夫の相続人になりますが、認知していなければ死後認知を求める必要があります。そこで、生前に認知できないのであれば、遺言書で認知するのが望ましいです。

日本財団が2016年12月に遺言書を作成した40歳以上の男女200人を調査したところ、遺言書を作成した人の7%が遺言書を作成した理由として「子供の認知のため」であることを挙げています。

このように、内縁の夫婦の方にとって、遺言書はとても大事になります。

内縁の夫(妻)に相続人がいる場合の相続対策

相続人となる親族は?

相続人には、入籍している配偶者が常になるほか、次のような順序で親族がなります。

  1. 子供(亡くなっている場合は代襲相続人である孫)
  2. 兄弟姉妹(亡くなっている場合は代襲相続人である甥姪)

したがって、子供(孫)がいれば子供(孫)が相続人になり、子供がいなければ親が、子供も親もいなければ兄弟姉妹(甥姪)が相続人になります。

では、亡くなった内縁の夫(妻)に兄弟姉妹がいるケースを基に、遺言書がなければどうなるかを見ましょう。

亡くなった内縁の夫(妻)に弟がいる場合

子供がいないAさん夫婦の夫が亡くなりました。夫の相続財産には自宅不動産と預金がありましたが、遺言書は残していませんでした。夫の両親はすでに亡くなっていますが、疎遠にしていた夫の弟がいます。ある日、夫の弟が現れて、自分にも相続権があるので夫の財産を開示するよう求めてきました。どうすればよいのでしょうか?

弟が全財産を相続する

亡くなった被相続人に法律上の婚姻関係にある配偶者、子供、親のいずれもいない場合、兄弟姉妹が相続人になりますので、このケースの場合、夫の弟が相続人になります。

したがって、妻は、夫の弟が相続を求めてきたら夫の財産を渡すしかなく、すでに夫が亡くなっているので離婚した場合のように財産分与を請求することもできません。

このようなことにならないためには、内縁の妻に全財産を遺贈する旨の遺言書を作成しておかなければなりません。

では、夫に入籍している配偶者、子供(孫)、親がいる場合はどうなるでしょうか?

配偶者、子供、親には遺留分がある

遺産相続においては、遺言書によっても侵害することができない相続人の最低限の取り分として遺留分が認められています。

兄弟姉妹やその子供には遺留分は認められていないので、遺言書を作成すれば基本的には問題は解決するのですが、配偶者、子供、親には遺留分があるので、遺言書を作成しても遺留分侵害できず、遺留分を請求される可能性が残ります。

そこで、このような場合には、遺留分対策を含めた相続対策をしておく必要があります。

内縁の妻(夫)のとるべき遺言・相続対策

内縁の妻(夫)のとるべき遺言・相続対策は次のとおりです。

  1. 互いに対する「全財産を遺贈する」遺言を作成する。
  2. 相続税対策として生命保険を活用する。
  3. 遺留分対策として生命保険を活用する。

① 互いに対する「全財産を遺贈する」遺言の作成

内縁の夫婦のどちらが先に亡くなるかは誰にもわかりませんので、内縁の夫だけでなく内縁の妻も遺言書を作成すべきです。

その際、共同で遺言書を作成することは禁止されていますので、それぞれが遺言書を作成する必要があります。

② 相続税対策としての生命保険の活用

生命保険の死亡保険金は、法定相続人の数×500万円まで相続税が非課税になります。

親兄弟に遺産を渡さない場合でも法定相続人としてはカウントされますので、相続税が課税されるほどの資産をお持ちの夫婦の場合、内縁の妻(夫)を受取人とした生命保険を活用すれば、相続税対策になります(ただし、子供がいない内縁の配偶者を受取人にすることができない生命保険会社もありますのでご注意ください。)。

③ 遺留分対策としての生命保険の活用

また、死亡保険金は、原則として遺留分の請求の対象にならないとされていますので(最高裁平成16年10月29日判決)、遺留分対策にもなります。

したがって、親が内縁の妻(夫)に遺留分を請求してきそう場合には、遺留分対策として生命保険を活用すべきです。

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。

内縁の夫の親との関係が険悪な場合

Bさん(内縁の夫婦)と夫の親との関係は険悪で、夫の親はいつもお金をせびりにきます。Bさん夫婦には夫名義の自宅不動産(時価3000万円)がありますが、他にめぼしい財産はありませんので、夫が亡くなった後のことが心配です。どうすればよいでしょうか?

親の遺留分への対策

このような場合、遺言書を作成しておいたとしても、夫の母は自宅不動産に対して3分の1の遺留分(1000万円)を請求できますので、他にめぼしい財産がないとなると、不動産を守れない可能性があります。

そこで、夫の死後、妻が夫の母に3分の1の遺留分を支払えるように、妻を受取人とした生命保険に加入することが考えられます(ただし、子供がいない内縁の配偶者を受取人にすることができない生命保険会社もあります。)。

遺留分を支払うために妻名義の預金として1000万円残すことも考えられますが、夫名義の預金を妻名義に移しただけでは、名義だけ妻で実質的には夫の預金であるとして、夫の遺産となってしまう可能性があります。

妻名義の預金が夫の遺産となってしまうと、夫の両親は妻名義の預金に対しても3分の1の遺留分を請求できることになり、遺留分として請求できる額が増えるだけになってしまうのです。

妻を受取人として生命保険であれば、夫の遺産ではありませんので、遺留分請求の対象となりません。

また、妻を受取人とした生命保険は妻の固有財産ですので、妻が自宅不動産を相続する代償金に利用することも可能です。

もっとも、死亡保険金の額が多額で、遺産総額の大部分を占めている場合には、夫の両親の遺留分を侵害していると認められる場合がありますので、注意が必要です。

このように、生命保険を利用する場合でも、①遺言書にどのようなことを記載するのか、②どの程度の保険金が出る生命保険契約を締結すれば、遺留分対策として妥当なのかに違いが生じます。

適切な遺言書・相続対策をするため、遺産相続に強い弁護士の無料相談を利用されることをお勧めします。

内縁の妻(夫)への遺贈には遺言執行者の選任がオススメ

内縁の夫婦のように法律上の相続人ではない人に財産を残す場合、「相続」ではなく「遺贈」という扱いを受けますが、遺贈による不動産の登記名義の変更や預金の払戻しには、相続人の協力が必要になります。

したがって、相続人が協力してくれなかったり、相続人がいない場合、内縁の配偶者が不動産の登記名義の変更や預金の払戻しを受けるにはとても面倒な手続きが必要になります。

このような場合、弁護士等の専門家を遺言執行者を選任しておけば、不動産の名義変更や預金の解約を円滑に進めることができますので、内縁の配偶者に負担をかけることはありませんので、遺言執行者の選任をお勧めします。

遺産相続に強い弁護士による遺言書無料診断が必要

このように、遺言書の作成や相続対策には様々な難しい問題がありますので、遺産相続に強い弁護士による無料診断を受けられることをお勧めしております。

遺産相続の専門家には、弁護士のほかに、司法書士、税理士がいます。

司法書士は登記の専門家、税理士は税の専門家ですが、法律の専門家ではないため、法的に難しい問題が生じた時に対応ができません。

弁護士は、遺産相続の手続にも紛争にも精通しておりますので、遺産相続の最初から最後までトータルサポートさせて頂くことが可能です。

法律事務所リンクスでは遺産相続問題に強い弁護士が遺言書無料診断サービスを実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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代表弁護士 藤川 真之介
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