遺産分割協議書は必要?作成できる人は?送られてきたら?印鑑証明は?
遺産分割協議書の書き方がわからないのですが?
遺産分割協議書は必要?
遺産分割協議書に署名捺印をすることで相続は完了しますので、遺産分割協議書は必要です。
遺産分割協議書を作成できる人は?
遺産分割協議書は相続人であれば作成できます。
しかし、後で述べるように、有効な遺産分割協議書を作成するには、注意すべきチェックポイントが複数あります。
遺産分割協議書の書き方を間違えるとトラブルになる可能性がありますので、遺産分割協議書で少しでも揉めそうであれば、弁護士などの専門家に相談する必要があります。
遺産分割協議書が送られてきて届いたら?
遺産分割協議書の内容をよく理解して署名することがとても大事です。
よくわからないないまま署名捺印をしたからと言って遺産分割協議書が無効になることは通常ありませんので、理解できない場合には遺産分割協議書の作成に強い弁護士にご相談ください。
遺産分割協議書に納得できない場合は無視してよい?
遺産分割協議書を無視すると相続が完了しませんので、遺産分割を完了させたい相続人から家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てられることがあります。
遺産分割協議書に納得できない場合は無視するのではなく、遺産分割協議書に同意しないことを連絡するか、連絡するのが嫌だとか怖いとかいう場合には、遺産相続に強い弁護士に相談して窓口になってもらうようにしましょう。
詳しくは「遺産分割協議書の相続に納得できないならハンコを押さないでよい?」をご覧ください。
相続で実印を押す必要は?印鑑証明は渡したくない?
印鑑証明書を他人に渡すのは不安ですし、悪用されるのではないかと心配になるのもわかります。
ではなぜ相続で実印を押すことや印鑑証明が必要なのでしょうか。
遺産分割協議書に実印を押して印鑑証明書を添付する必要があるのは、不動産登記や預金の解約をする際に、本人の同意があったのかを確認するためです。
したがって、不動産がなく、預金の払い戻しも済んでいる場合には、実印も印鑑証明も不要ですが、それ以外の場合には必要ということになります。
印鑑証明書を渡したくないとか、悪用されるのが心配という方は、弁護士に代理人になってもらうことをお勧めします。
遺産分割協議書の書き方~揉めないための注意点
遺産分割協議書の書き方は、土地、建物、マンション、預貯金、株式などの財産の種類、単独所有だったのか共有だったのか、ある財産を単独で相続するのか共同で相続するのかなどによって、変わってきます。
例えば、夫が亡くなり、妻が一軒家と現金と預金を取得する代わりに、お金を子供に支払う場合のひな型をご紹介しながら、遺産分割協議書の注意点をご説明します。
なお、不動産の売却を前提に遺産分割協議書を作成する場合には、どのような分割方法にするかで、税金が変わってきます。
詳しくは「相続不動産の売却で得なのは代償分割?換価分割?遺産分割協議書は?」をご覧ください。
遺産分割協議書 被相続人 甲野太郎 生年月日 〇〇〇〇年〇月〇日 住 所 同上
上記の者の相続人全員は、被相続人の遺産について協議を行った結果、次のとおり分割することに合意した。 1 相続人甲野花子は次の財産を取得する。 (1)不動産 ※注意点① (土地の表示) 所 在 京都市北区〇〇町 (建物の表示) 所 在 京都市北区〇〇町〇番地 (2)現金 30万円 ※注意点② (3)預貯金 ※注意点③ 銀 行 名 〇〇銀行 支 店 名 〇〇支店 種 類 普通預金 番 号 3534116 名 義 甲野太郎
2 相続人甲野花子は、第1項記載の遺産を取得する代償として、相続人甲野一郎に対し、〇〇〇〇年〇月〇日限り、500万円を支払う。
3 本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、別途協議する。 ※注意点④
以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、本協議書を何通作成し、署名押印のうえ、各自1通ずつ所持する。
〇〇〇〇年〇月〇日
京都市北区〇〇町〇番地 甲野花子(実印)※注意点⑤
東京都中央区銀座〇丁目〇番〇号 |
注意点① 不動産
不動産登記簿(全部事項証明書)の「表題部(土地の表示)」及び「表題部(建物の表示)」のとおり記載する必要があります。
誤った記載をすると、登記を移すことができなくなる可能性があるので、注意してください。
注意点② 現金
現金は漏れることが多い遺産です。お亡くなりになった時点で個人が保有していた金額を記載しましょう。
注意点③ 預金
銀行名、支店名、口座種類、口座番号、口座名義を記載して特定する必要があります。
口座番号を書かないと、同じ銀行の同じ支店に複数の口座をお持ちの場合に、どちらの口座の相続かがわからなくなりますので、必ず記載するようにしてください。
注意点④ 遺産分割協議書から漏れた財産
遺産分割協議書作成の時点ですべての遺産が明らかになっているとは限りませんので、判明した時点で別途協議することになります。
注意点⑤ 実印の押捺と印鑑証明書
遺産分割協議書が真正に作成されたことを明らかにするため、実印を押して、印鑑証明書を添付しましょう。
住所は印鑑証明書に記載された住所を書く方が、不動産登記や預金の解約の際に、便利だと思います。
遺産相続に強い弁護士への無料相談が必要
このように、遺産分割協議書の作成には様々な難しい問題がありますので、遺産相続に強い弁護士への無料相談をされることをお勧めしております。
遺産相続の専門家には、弁護士のほかに、司法書士、税理士がいます。
司法書士は登記の専門家、税理士は税の専門家ですが、法律の専門家ではないため、法的に難しい問題が生じた時に対応ができません。
弁護士は、遺産相続の手続にも紛争にも精通しておりますので、遺産相続の最初から最後までトータルサポートさせて頂くことが可能です。
法律事務所リンクスでは遺産相続問題に強い弁護士が無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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