遺産を独り占めした人の末路~因果応報でバチがあたる場合
1000万円以上の遺産隠しを発見した事例
遺産相続で独り占めをするのは長男が多い
遺産相続の独り占めで多いのは、長男による預金の独り占めです。
このページでは、長男が無断で預金を引き出して独り占めをしていたのを取り戻したリンクスの解決事例をご紹介します。
長男が同居していた母が認知症であることをいいことに預金を引き出して隠してしまったという事例です。
母が亡くなった際に預金残高がほぼ0円であることに不信感を感じた長女が、法律事務所リンクスの無料相談を利用して、取り戻すことに成功した事例になります。
成功事例の紹介というよりも、預金を独り占めされた場合の調査方法について詳しく知りたい方は、「遺産隠しはバレる?相続財産隠し口座の調査方法」をご覧ください。
まだ独り占めは起きていないが、長男が遺産相続での独り占めや優遇を求めていることへの対処方法について詳しく知りたい方は、「遺産相続は長男が優遇で多い?土地の相続や兄弟の不公平は?」をご覧ください。
長男による遺産相続の独り占めが発覚した経緯
- 被相続人 母
- 相続人 依頼者長女(相続分2分の1)相手方長男(相続分2分の1)
- 相続財産 実家(2000万円)預金(2000万円)
お母様が亡くなられました。約15年前に作成された遺言には2000万円の金融資産の記載がありましたが、亡くなった時点では0円になっていました。
お母様は遺族年金で十分生活できていたはずなのにおかしいと考えた長女は、同居していた長男が、お母様が認知症であることをいいことに、預金を引き出して独り占めしたのではないかと疑い、無料相談を利用されました。
リンクスからのアドバイス
- 取引履歴の取得・分析
預金の引き出しの有無を確認するため、お母様名義の預金口座の取引履歴を取り寄せて、分析する。 - 医療記録の取得・分析
お母様が預金を引き出すことが難しいほどの認知症であったことを証明するため、当時の医療記録を取り寄せて、分析する。 - 無断引き出しの証明
長男による引き出しが無断であったことを証明する。
1 取引履歴の取得・分析
相続人による遺産の独り占めが疑われる場合、預金の取引履歴の開示を受けて、引き出しの有無を確認する必要があります。
リンクスの弁護士が、過去10年分の取引履歴を取り寄せましたところ、2000万円の預金が短期間のうちに出金されていることが判明しました。
しかも、窓口ではなくATMから連日にわたって限度額に近い金額で出金されていました。
高齢のお母様が短期間のうちに高額の預金を出金することも不自然ですが、お母様が出金するのであれば窓口でまとめて出金すればよくあまりに不合理なので、お母様と同居していた長男による遺産隠しの疑惑が一気に高まりました。
そこで、リンクスの弁護士は、長男に対して先にお母様の口座からの出金への関与について確認を求めましたが、長男は、弁護士を入れて、お母様の財産がどうなっていたのかは全く知らないし、出金にも一切関与していないと回答してきました。
2 医療記録の取得・分析
こうなると、その当時のお母様の生活状況や財産管理能力からして、預金を引き出したのは長男である可能性が高いことを証明していく必要があります。
このようなことを証明するには、お母様の医療機関の診療録や介護に関する記録が必要でした。
本件の場合、出金がなされたのが約10年前ということで、診療録や介護記録の保管期限が満了していましたが、残っていた診療報酬記録上でアルツハイマー型認知症であったこと、当時のケアマネージャーへの照会から認知症が進行していたことが分かってきました。
3 長男による無断引き出しの証明
本件では、長男が出金を認めなかったため、裁判を起こすしかありませんでした。
裁判では、次のような事実を証明して、長男による無断引き出しと認定してもらいました。
- お母様は証券被害にあったことがあり、長男がその対応に関与していたことから、お母様の財産がどうなっていたのかは全く知らないということはありえないこと
- 2000万円もの金額が短期間のうちにATMから連日にわたって出金されていたことことからすると、お母様以外のものが出金した可能性が高いこと
- お母様は認知症にり患しており、証券被害に遭う程度には財産管理能力が乏しかったのだから、長男がキャッシュカードを持ち出しても気付かないか、気付いていても対処できなかった可能性が高いこと
遺産相続で独り占めをした長男の末路
本件の長男は出金したお金を海外旅行などで散在しており、無断引き出ししたお金を返すことができませんでした。
そこで、長男には住んでいた実家から出てもらって、実家の名義を依頼者である長女に変更してもらうことで、長女が受け取るはずだった1000万円を回収することに成功しました。
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