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相続税申告に遺産分割協議書は必要?期限に未分割なら修正申告?

相続税の申告に遺産分割が間に合わない場合はどうすればよい?

遺産分割未了の場合の相続税の申告方法

遺産分割協議書の作成が相続税申告期限に間に合わない場合でも、未分割のまま申告をする必要があります。

このページでは、遺産が未分割まま相続税を申告する場合について、次の3つのことを説明します。

  1. 遺産が未分割のまま相続税を申告する3つのパターン
  2. 未分割で申告する場合に取るべき手続
  3. 遺産分割終了後の流れ

1 遺産が未分割のまま相続税を申告する3つのパターン

① 相続財産調査が間に合わない場合

相続財産の調査が間に合わずその内容が把握できない場合や資料の収集遅れで相続財産の評価が確定できない場合でも、遺産を概算して相続税の期限内申告をすることになります。

この場合、その後、遺産の内容や評価が確定した段階で、修正申告(税額が増える場合)をしたり、更正の請求(税額が減る場合)をすることになります。

期限内申告の際に計上されていなかった財産が見つかったり、遺産の評価が期限内申告よりも高くなった場合には修正申告をすることになります。

この場合、延滞税を支払わなければならない可能性がありますので、このようなことにならないよう、遺産相続に詳しい弁護士に依頼するなどして、早めに相続財産の調査をする必要があります。

詳しくは「相続財産の調査がしたい」をご覧ください。

② 相続財産の範囲に争いがある場合

例えば、亡くなった被相続人名義ではなく相続人の名義になっている預金が、被相続人の財産(名義預金)なのかその相続人の固有財産なのかめぐって争いがある場合などには、相続税の申告対象となっている財産が異なることになります。

このような場合、相続人間で共通の相続税申告書を提出できず、別々の税理士が異なる内容の相続税申告書を提出することが多く、税務調査に発展する場合もあります。

もっとも、その財産を相続税申告書に記載するかどうかは、遺産分割の対象にするかどうかとは別の話なので、争いがある財産を相続税申告書には記載せず、相続財産の範囲が確定してから改めて対応を検討する場合もあります。

なお、相続財産の範囲に争いが合って解決しない場合には、遺産範囲確認訴訟を提起することになります。

③ 遺産分割の方法に争いがある場合

相続財産の範囲に争いはないが、遺産分割の方法に争いがあるため、遺産分割協議書を作成できない場合です。

この場合には、できる限り同じ内容の相続税申告書を提出して、税務調査を回避することが大事になります。

もっとも、遺産分割協議が成立しない場合、配偶者の税額軽減(配偶者控除)や小規模宅地の特例などの遺産分割が前提となっている特例が適用できず、多額の相続税を申告する必要が生じますので、できる限り早めに遺産相続交渉に強い弁護士に依頼し、遺産分割協議をまとめる必要があります。詳しくは「遺産分割協議に応じず相続の話し合いを拒否する人への進め方」をご覧ください。

2 未分割で申告する場合に取るべき手続

遺産が未分割の場合、配偶者の税額軽減(配偶者控除)や小規模宅地の特例などの遺産分割が前提となっている特例が適用できませんので、一旦、多額の相続税を納めないといけませんが、申告期限内に提出した相続税申告書に「申告後3年以内の分割見込書」を添付することで、遺産分割終了後に適用を受けられることになります。

逆に言えば、これを添付し忘れると、遺産分割を終了しても配偶者の税額軽減(配偶者控除)や小規模宅地の特例などの遺産分割が前提となっている特例の適用を受けられなくなる可能性があるので、ご注意ください。

なお、3年以内に遺産分割ができない場合には、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。

3 遺産分割終了後の流れ

① 修正申告(税額が増える場合)

未分割で申告する場合、法定相続分に従って申告することが多いと思われますが、遺産分割の結果、それよりも多い遺産を取得した場合などには、修正申告をすることになります。

② 更正の請求(税額が減る場合)

配偶者の税額軽減(配偶者控除)や小規模宅地の特例などの遺産分割が前提となっている特例の適用を受ける場合、税額が減ることになるので、更正の請求をすることになります。更正の請求は、遺産分割終了後4か月以内にしなければなりませんので、ご注意ください。

遺産相続に強い弁護士への無料相談が必要

このように、遺産分割がまとまらない場合の相続税の申告には様々な難しい問題がありますので、遺産相続に強い弁護士への無料相談をされることをお勧めしております。

弁護士は、遺産相続の手続にも紛争にも精通しておりますので、遺産相続の最初から最後までトータルサポートさせて頂くことが可能です。

また、法律事務所リンクスの弁護士は、相続税の申告に強い税理士と連携しておりますし、弁護士自身も税理士業務を行えるよう国税局に通知しております。お気軽にご相談ください。

このコンテンツの監修

藤川真之介 弁護士の写真

弁護士法人法律事務所リンクス
代表弁護士 藤川 真之介
弁護士登録番号35346

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